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神か悪魔か!?Windows10を5分でインストールする恐怖のソフトVentoy!

f:id:bluetone2016:20210715101114j:plainwww.ventoy.net

ロシヤ人のハッカーに教えてもらったVentoy。マルチOSインストール用ブータブルメディア作成アプリケーションだが、ロシヤだけではなく最近は英語圏のユーザーもこのアプリの存在に気が付き始めたようだ。

だが、それらの動画やブログを見ているとほぼ全員がこのアプリについて誤解していることに気づく。これはRufausやEcherの代替ソフトではない。

このアプリはむしろCloverEFIに近い性格を持つアプリケーションである。

CloverEFIは起動をフックするために使用するメディアと実際に起動させるメディアが別ドライブになり、複数のドライブを任意に選択して起動させることができるが、このVentoyは同一ドライブの中に起動をつかさどるEFI部分と実際に起動されるISOファイルを格納できることが特徴である。

RufusやEcherはそれ単体ではISOファイルをマウントすることができないため、作成するブータブルデバイス内にISOファイル内のデータを展開している。ここが欠点で、せっかくのブータブルデバイスなのにひとつのOSしか起動させることができない。

VentoyはCloverEFI同様にまず自分が起動し、次に(ここが革命的なのだが)任意のISOファイルをマウントし、そこのブートローダーをUEFIに渡してISOファイル内部に格納されているOSを起動させる。したがってメディアの容量のゆるす限り100でも200でも一つのメディアの中にOSを持つことができるのだ。

Ventoyで作ったブータブルメディア1本でRufus100本分のメディアと同じことができる。

もうインストール専用に16GBの小さなUSBメモリをそろえる必要はなくなった。一本で十分。怪しげな富士通タブレットLinuxの各種ディストロを総当たり戦で食わせて起動できるかどうか確認するなんてあまりに簡単なことになった!

これはLinuxインスコ革命だ!

と、ここまでは世の中に出回っているVentoyの紹介でさんざ言われていることで目新しくはない。これはVentoyとは何かの概略を説明するための前置きであり、本題はこれからだ。

VentoyはEcherでもRufusでもないと最初に書いた。その理由はこのアプリは

ブータブルメディアメーカー

であって

ブータブルUSBメーカー

ではないからだ。

Ventoyがブータブルメディア化できるメディアは、HDD SSD eMMC MMC USBメモリ and so on...である。つまりなんでもいい。起動できるならデータMDでもMOでもよい。ただおそらくCD-RとDVD-R、Blue-Rayはダメなんじゃないかな。これは試してないからわからん。

で、SSDをOSインストール用のブータブルメディアにできるというと、一般の人は外付けSSDにVentoyでブータブルメディアを作り、USB3.2 gen2で高速インストールできればめっちゃ速いのか!?と考えるじゃないですか。

それでもいいの。いいのだけど、そんなことするくらいなら内蔵PCIeスロットにPCIe4x4のNVMeSSDを突っ込んでこれをブータブルメディア化すりゃあいいじゃないか。んで、ここからそこらへんに転がってるSSDにOSをガシガシとインストールすればそれでいいじゃないか。

なぜか全世界でこれやってる人がいくら検索しても出てこない。多分まだ誰も気が付いていない。

で、やってみた。

インストール元 Samsung EVO 980 pro 250GB
インストール先 シーケンシャル書き込み速度が最大150MBくらいの安いSSD

インストール先はM.2 SATAとmSATAの二種類用意した。

クリーンインストールするOSはせっかくだからWindows11の公式ISOを使用した。怪しげな物ではなくマイクロソフトからダウンロードした正真正銘のWindows11である。当然insiderPreview版だけど。

PCはそんな強力なのを用意せず、I3 9100にメモリ8GBと何年も前の庶民的なデスクトップを用意した。したがって、980 proの全速力で読み出すことはできない(が、ボトルネックとなるpcie3x4の全速力で読み出すことができる)

pro版とhome版を用意して複数回インストールを行った。

結果 おおよそ5分で国選択画面に到達した。短いときは4分50秒で到達した。

LinuxのLive起動にかかった時間じゃない。Windowsクリーンインストールにかかった正味の時間(いうまでもなくストップウォッチを起動させてからインストールをスタートさせている)が5分。。。書き込みが最大でも150MBしか出ないようなSSDに対するクリーンインストールがたったの5分。。。これは

OSインストール革命だ!


Ventoyが出現したのは去年。去年からWindowsクリーンインストールにかかる時間はこれまでの30分から5分以内が基準になった。もっと速い読み出し、もっと速い書き込みができればこの数字がリニアに短縮できることは言うまでもない。残っているのはCPUの処理速度での律速だけだ。有史以来のOSインストール常識「OSのクリーンインストールは時間がかかってめんどくさい」はここに覆った!

強烈かつ鮮烈なソフトVentoy!これがあなたのPC環境を劇的に変える!間違いないっ!


た・だ・し これ、ランサムウェアらしい。Acronisのプロテクトソフトがそっと教えてくれた。当然、WindowsDifenderごときはすり抜ける!

ランサムウェア界隈は救急病院の患者を死なせたことで当局から「ランサムウェアをまいた奴には殺人罪を適用する」ってはっきり警告されたので(しかも身代金目当で人を死なせたので捕まれば死刑が確実)命をかけてまでやることじゃないということで結構あちこちで活動を停止し始めてるという話も聞くので、このVentoyのランサムウェア機能は永遠に起動しないのかもしれないが、それにしたって注意は必要だ。

重要なインストールには使わずに、ランサムウェアではない互換アプリが開発されるまでテスト用に使用するのがよいのではないだろうか。Acronisの誤検知かもしれないけどね。