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行く先不明のlinux blog

未来の技術シリーズ③ Thorium Browser ~地球上で最速のブラウザ

最近、チょッとだけ記事になったので見たこともある人もいると思うが、Thoriumブラウザが今一番熱い。
thorium.rocks

まず作者のAlex313031について触れておこう。ChromiumOS系統を昔から使っていたユーザーならCOGというテレメトリー拡張機能を使ったことが一度はあるはずだ。このCOGの作者がAlex313031である。
その動作についてブラックボックスだったChromiumOSで初めてCPU使用率やメモリ使用量などを「見せて」くれたのがCOGである。現在はもう拡張機能として公式には提供されていない。

このCOGの作者であるAlex313031が満を持して世にはなったのが、Thoriumである。ソリウムじゃなくてトリウム。原子番号90番。

このThoriumブラウザは基本的にはChromiumブラウザのフォークであるが、他社製品とは大きな違いがある。Thoriumブラウザはその動作にCPUの拡張命令を扱うことができるのだ。
ja.wikipedia.org

拡張命令とはなっぞやという話だが、かいつまんで説明すると、この命令セットを使うと「同じCPUパワー」で「同じこと」をさせても演算処理が高速化できるということだ。つまりアプリケーションの動作が高速化できる。では、なぜ他のブラウザは拡張命令セットをサポートしないのか(できないのか)

それは商業上の理由により、CPUごとにサポートしている拡張命令の種類が異なるのに対して、アプリ側でそれを区別して対応するということが困難だからだ。たとえばSSE3までしかサポートしていないCPUにAVX命令を投げても処理することができない(動作しない) 仮に相手のCPUがサポートする拡張命令が事前にわかってもアプリがCPUごとに異なる命令を投げることができない(様々な事情により)

このため既存のブラウザはこの拡張命令セットに対応していない。素のコードをシンプルに丸投げしている。CPUは力業でクソ重い演算(特にJavascript関係)を実行しているのだ。そりゃ非力な石がブラウザを立ち上げるのに何十秒もかかるわけだ。

これを「人力」で解決したのが、Thoriumブラウザである。その解決策とは

CPUがサポートしている拡張命令別に4種類のバージョンを用意して「自分で調べて自分で選んでインストールする」のだ。のだ。簡単に言うけどこんな解決策ありか。
間違った命令セットのバージョンを選ぶと動作しない。公式ではサポートしていないはずの拡張命令セットが実は動作するorサポートしてるはずなのに動作しない 阿鼻叫喚w

一番まずいのは、Linux版で間違ってリポジトリを登録すると100発100中で「間違ったバージョン」でアップデートされること。立ち上がらなくなるからリポジトリの登録だけは絶対にやってはいけない。

どのくらい高速化しているのかは公式サイトの文言を信じるしかないが、Youtubeで再生できる動画の画質がたとえばFirefoxESRよりも数段高画質なものを選べる感じがする(動画再生支援しない前提で) 非力なPCでもストレスにならない程度の速度でサムネイルが表示される(サクサクというわけにはいかない。非力なCPUはそもそもどう頑張っても規格の上限で通信などできない。こちらがボトルネックになる)のは心理的にも大変よろしい。

また、ダウンロードしたアプリのサイズが極めて小さく、ダウンロードも、他の環境からのコピーも容易という利点もある。

欠点:拡張命令別バージョンの名前が同じ。何の区別もない。パッケージ名で区別をつけているのに中身では区別できない。同じバージョンという扱いになる。リポジトリ登録すると間違ったアップデート食らうのもこれが原因。なんとかならんのか。

このblogもThoriumブラウザ上で書いている。何の不自由もないし、むしろ軽快高速で楽しい。最新のCPUであればAVX2対応バージョンを選んでおけば問題ない。tiny11系のWindows11にはEdgeが入っていないので、多くはChromeFirefoxを選択すると思うが、インストーラ不要でワンクリックで入ってしまうこのThoriumが一番扱いやすくつかいやすい。環境設定で日本語を選べ日本語表示もばっちりだ。

インストール方法:それぞれのOSに自分のCPUに適したバージョンをダウンロード。クリックしてインストール。Windowsは黙ってそのままインストールされる。Linuxはパッケージインストーラが立ち上がってインストールされる。インストールに成功するとWindowsでは勝手にブラウザが立ち上がる。Lunuxではインストール終了後に手動で立ち上げる必要がある。ここから先が重要

Windows。。。自動でブラウザが立ちあがらなければ失敗。拡張命令のグレードの低いバージョンをインストールしなおすべし。
Linux。。。立ち上がる雰囲気だけでそのまま起動に失敗すると失敗(何分待っても同じ)拡張命令のグレードの低いバージョンをインストールしなおすべし。

手間がかかる。何のためにこんな難行苦行をしているのかわからなくなることもあるが、起動すれば快適なインターネット生活が待っている。

みんなThoriumで幸せになろう!未来がここに来た!