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行く先不明のパソコンblog

通りすがりさん>いえ、問題はここです

>>ここまで知名度が上がった以上、もはやそれを改善することなど徒労にしかならないという理解でいいのでしょうか?

Perfumeに知名度なんてまだぜんぜんないと思いますよ。だってろくに売り込みをかけてませんから。売込みをかけている相手は電通の子会社のビデオリサーチによれば「日本人全部」ということになっている「極少数特定層」にだけです。ニールセンが健在だったころ、ビデオリサ-チの数字というものはまったく信用のないものでしたが(理由は電通の子会社で電通扱いの番組にのみ数字を重く出すということと調査方法があまりにも不透明であるということ)、だいたいビデオリサーチの発表する視聴率から5~10%マイナスすればリアルな数字になるだろうといわれていました。これは今でも通用する数字だと思います。

これって単純に計算して11%の視聴率を持つ歌番組に出ても、実際は1~5%程度の人にしか見られていないということです。そこからPerfumeの音を気に入ってくれる人にマッチングさせるって、無理な話ですよ。母集団が小さすぎる。深夜帯の歌番組なんて本当に「誰も見ていない」と思いますよ。

だから、Perfumeに知名度なんかまだぜんぜんないということです。

一方で、TVの人気者といわれる人たちにとって、これほど「見られていない」TVという媒体が、きちんと媒体力を発揮できる理由というのは、TVの人気者といわれている人たちは、きちんとその1~5%の層に特化した音楽作りをしているということです。だから、TVでの販促は効果がある。Perfumeは1~5%の層以外の人が普段聞いているような音楽を作ってはいませんから、こんな小さな母集団に向けて巨額の投資をして売り込んでも、初動で10万枚も売れないわけですよ。小さな(しかも極端に偏った)母集団の中に紛れ込んだ特殊な耳の持ち主だけが少数反応しているというのが、現在のPerfumeの売り上げ実績の結果だと思います。

じゃあ、誰に向けて売るの?っていうと、TVなんか見ない層にです。それはどこにいるのって言うと、TVが放送している時間帯にTVの前に座っていない人たちです。TVって24時間放送してますよね、っていう話になると、一番簡単なのは「今自宅にいない人たち」に、です。極論すれば道を歩いている人はみんな物理的にTVを見ることができないし、TVを見るために積極的に家に帰ろうという意思のない人たちだから、その人たちが、狙うべき95%の層ということになります。別に漠然とはしていません。TVはそれくらい「もう見られていない」ということなんです。だからTVに特化したプロモーションはかけた金の分無駄だと思います。

で、95%のどの層に向けてプロモするの?という話になりますが、Perfumeは音楽ユニットなので将棋ファンに売り込んでも仕方ないですし碁会所周りをしても意味がありません。おのずと「TV屋と無関係の音楽シーン」がターゲットになります。それってどのくらいの売り上げが見込めるのっていう話になると、どんなに売れても1000枚がいいとこと言われてたのにふたを開ければ100万枚の市場だったジャズをはじめ、それこそ1アイテム100万枚の可能性を持つロックであったり、ダンス音楽であったり、電子音楽になじみの深い現代音楽シーンであったり、いずれにせよ「Perfume?なにそれ食えんの?」「TV?実家にいるころは見たけど上京して大学に入ってからあとは見てないよ」と言っている「平均的な日本の音楽ファン層」に向けて、でしょう。

どうやって?という話になります。これは、それらのファン層が大規模に集まる場所(一般的にはフェス)に積極的にブッキングし、ライブパフォーマンスを見せるということになるかと思います。「見せれば」飛びついてくると思いますよ普通レベルの耳を持った音楽ファンならジャンル問わず。だからWIREに出ないのかなぁとか思うわけで。何でフェスがいいか。フェスに来るやつは少なくとも金持ってるからw実も蓋もないですけど、これだけメディアが多様化した今日、にもかかわらずTVしかメディアの中心を持ってないやつは基本的に金持ってないから、悪いけど、客じゃないと思います。

で、大規模同時送信メディアとしてのTVが終わった今日、情報って細分化されて、みんな自分の興味のある情報以外は取捨選択的に「捨てている」のが実情だと思います。Perfumeの出稿量(メディアへの情報送り出し量)は膨大だと思うんですけど、そのほとんどが「取捨選択的に捨てられる」可能性の高いメディア(つまりテレビ)、「取り込むべき情報としての価値」が今、一番低い(2番目は新聞)メディアに対して向けられているように感じます。もちろんTVって誰でも見ることはできるんだけど、逆説的に「TVからの情報だからこそ」ほとんどの人からろくに峻別されることもなく捨てられている。そういうもったいないプロモーションをしているように見えます。するとそういうときにどんなプロモーションをすれば効果的かというと


首根っこを掴んででも


見せる


これしかないです。単純に言えば相手のフィールドにどかどかと入って行って暴力的にライブパフォーマンスを見せて回る。Perfumeに何の興味もないが、音楽は普通に好きというような連中の集まっている場で、とにかく見ざるを得ないような状況にしておいて強引に見せる。なんのことはない、loftでやったことと同じです。Perfumeの場合、このやり方が一番効果的だと私は思います。もちろん、小さなライブハウスを絨毯爆撃しても効果に限りがあると思うので、大規模フェスや大規模コンサートなどに強引に乗り付けてやり逃げで去る。少なくともTV出演一回分よりは効果あると思いますよ>大規模フェス出演。

大規模フェス出演は去年やったじゃないか、という話になると思うんですけど、ほとんどロキノン系とJ-POP系のイベントばっかじゃないですか。それじゃ頭打ちですよ。市場規模は小さくても確実にCDを買うという習慣のある層に向けて露出しないとだめ。見かけの市場規模ではなくて、母集団全体の数とCDを実際に買う人数の比率が「高い」集団へはプロモしても効果がありますが、母集団が大きくてもCDを実際に買う人数の比率が「低い」集団(要するにJ-POP系)にいくらアプローチをかけても、後者はは前者に「実際にCDを買う人数の絶対数」で容易に負けるから意味がない。実際にCDを毎月10枚とか20枚とかガンガン買う層にアプローチをかけないとダメなんですよ。こういうのって懐の余裕ではなくて習慣だから、CDを買う習慣のある層が含まれる可能性のある集団(大きくなくてもいい)にプロモーションをかけるのが、最も効率のよいプロモではないかと考えます。

具体的にはどのジャンルに?という疑問。これは、Perfumeの場合愚問だと思います。音楽好き相手なら全ジャンルOK。全ライブオールアウェイがPerfumeのモットーなんだから、Perfumeが受けそうなジャンルというのをわざわざ探す必要はないように思います。どんどこいけどんどこ。むしろ、今わかっているうちで、絶対に売れそうもないフィールドはTV中心のJ-POPリスナー層なんだから、そこからは一分一秒でも早く撤退すべきだと思います。お金の無駄遣いだから。


そんなわけで、Perfumeはむしろ「売れそうな相手」にはまったくプロモートされておらず、そのフィールドではガン無視されている状態にあると思います。こんな感じで、ひとつ。