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アニメイト補正の問題点

アニメイト補正と言う単語がある。これは特定ジャンルのCDにかけられるオリコン発表のチャートにかけられる補正係数の異常な値を揶揄った言葉だ。

正直、指数と売上枚数が隔絶しすぎる特定ジャンルのCDはある時期まではこのような異常な補正はかかっていなかったように記憶している。それがPOSデータの導入とチャートで示される売り上げ枚数と実際の総売上枚数の隔絶があまりにも拡がりすぎたのを修正する目的で、音楽CD販売専門店ではない特定のマニアショップの数字をチャートの数値に用いるようになってからチャートアクションがおかしくなってしまった。この特定ジャンルCDしか売れないマニアショップの代表的銘柄がアニメイトであったことからこの異常な補正係数のかかり方をアニメイト補正と呼ぶと承知している。


このアニメイト補正の問題点は1にも2にも、特定ジャンルのCDしか売れない事がわかっている店舗での偏った売り上げ枚数が「偏りのない標本調査」の基礎となる数字の中に混じってしまうという点にある。はっきり言ってこれはただのノイズだと思う。オリコンがどのようにしてこのノイズを取り除く計算式を編み出したのかはわからないが、もし分離できないのだとしたらこんな数字は用いるべきではない。


で、具体的にはどのようなノイズであるか。オリコンのチャートは音楽CDの売り上げ枚数の推移を示す数字である。この数字から導き出されるのは、どのアーチストに人気があり、どのジャンルの曲に人気があり、そしてそれはどのように推移するのか、といった事柄である。これは長期的なスパンで見ることで、流行歌全体のモードを掴む事もできるし、短期的なスパンで「今現在のトレンド」を掴む事もできる。そして、この数字はこれまでそのような目的のために提供されてきた。ところが、アニメイト補正によって混入される数字はそのような意味を持たないデータである。

「今どのアニメに人気があるのか」「今どのゲームに人気があるのか」「今どの声優に人気があるのか」「人気声優と人気アニメの相関はどのように変遷しているか」

はっきり言って、知りたくもないデータである。必要な人はいるだろうこういう数字が。でも、オリコンの数字に混ぜても意味のないデータであることは明らかだ。後世の人はUVERworldってこの時期Perfumeよりも人気があったんですねと数字を読んでしまうかもしれないが、人気があったのはガンダムだ。平野綾って言うのはSpringsの時は売れなかったのにソロになってから人気が出たんですね、と読むかもしれないが、人気があったのは涼宮ハルヒらきすただ。これらの数字は音楽CDとしての数字とアニメ関連グッズとしての売り上げの数字が混じっているために、正しく読むことを困難にしてしまっている。はっきり言ってノイズを混入したままのチャートには価値がないって事なんだ。


で、提言。アニメイト補正まで込みの数字による「アニメチャート」を別に作る。特定ジャンルの作品や声優やらの人気の推移は、そのチャートで見てもらう。一方で、音楽CDチャートにはアニメイト補正を一切加えない。声優イベントやアニメイベントでの売り上げ数字も一切加えないか、そういう要素があれば積極的にマイナスの係数をかけて行く。特定ジャンル関連グッズの売り上げ動向の数字を音楽CDチャートから一切排除する。そうすれば、音楽CDチャートとしてのオリコンが戻ってくるのではないかと考える。


なんでこんなこと書くかって言うと、池袋HMV、今週もValentin Stepが絶好調4位、さらにサヨテクが10位ランクインで猛追中と言う、アホアホしい結果になってるわけよ。そこからはAira Mitsukiが27位で、上位のほぼ全てのCDが特定ジャンル関連CDで埋め尽くされているなんていう数字は導き出しようがないわけで、はっきり言ってノイズを取り除かないと今なにが売れてなにが売れていないのかがもうまったくわからない状態に陥っているとしか思えないわけよ。

いや、おかしくなる前になんとかしないとまずいと思うよこれ。余計なお世話だけども。