- アーティスト: 東京女子流
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2012/03/14
- メディア: CD
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東京女子流の2枚目。中古CD店に行って今一つ面白くないのはここいら辺の中堅アイドルがまだアルバムを一枚しか出していなかったりすることなので、この2枚目は「待望の」2枚目である。
で、新曲はライブのレビューで書いたとおりなのであれなので、このCDのみ盤の特徴を。まずSparkleのNGテイクと思われる松井寛mixが入ってる。Sparkleは女子流云々以前にアイドル歌謡としては掟破りのニュー・ウェイブ歌謡という斬新すぎるアレンジが本テイクのため、軽い感じでバンド歌謡風にアレンジしたコチラのテイクもなかなかに趣がある。
アルバム全体としては、纏まりに欠ける挑戦的なトラックがデコボコと入っている一枚という印象。ファンク的なベース音とギターのリフを中心に据えた前作と比べて、サウンドの中心軸となるような指標を今回のアルバムは持たない。前作が傑作「ヒマワリと星屑」「鼓動の秘密」をベースに全体のサウンドを展開していったのに対して、本作はそうした傑出したナンバーを持たず(シングル曲のサウンドはむしろ前作の延長線上にある)、次のステップを模索するような幅の広い、あるいは方向性の多様な書きおろし曲を納めるに至った。
このアルバムの欠点はそうした多様な方向性に彩られたアルバムナンバーが既存曲に押されるように窮屈に入っている構成にあって、それはシングル曲は必ず収録するという日本のJ-POP独特のアルバム制作スタイルがこの作品にも色濃い影を落としているからにほかならないように感じる。
女子流は有料ファンクラブ設立の予算もつき、次年度にもある程度の活動資金をつけてもらえるようになったようなので、ここいら辺で一つ「最終的にアルバムになる」ことを見越して、自作からは全曲「アルバムからの先行シングル」というようなコンセプトで曲作りをしてみてはどうだろうか。非常に異色でかつ魅力と実力の伴った女子流といえど、シングルに新曲チョボチョボというアルバム作りから逃れることはできないのだから、いっそ、アルバムまでのシングルはアルバムの素材づくりと割り切るくらいの思い切りが欲しいように思える。そういう感想を覚える「散漫さ」を感じさせる高水準な出来のアルバムだった。
おすすめ度。。。☆☆☆☆(一言でいって散漫。高水準は疑う余地もないが、シングル曲とそれ以外の曲、それ以外の曲同士に整合性がなさすぎる。冒険的な姿勢は買うが、方向性が見えなさすぎる。女子流の実力の爆上げに若干制作サイドがついていっていないor試行錯誤している様子が伺える。捨て曲はないがなにはともあれSparkle。コレ聞いてたまげろw)