昨日の花火大会で気がついたことは、この二種類だけが「邦楽」のフィールドで唯一「普通の音楽」が聴けるカテゴリになっているということだろう。もちろん「邦楽」という枠を離れた時の「内国産音楽」で括るなら「クラブ系」と称される音楽は普通に「普通の音楽」をやっているが、それ以外は全滅だ。やっていたとしてもW-insのように「似ているが普通の音楽をやっていない勢力」に目を付けられて潰されてしまう。
そういう「めんどくさいこと」から逃れて、普通の音楽を「邦楽」のジャンルでかつ「お手軽に」聴けるのがK-POPとアイドルの「今一番ウリ」なところであって、ほかの「邦楽」が、ほぼK-POPあるいは戦国時代以前に名前を売った売っていたアーチストがその遺産だけで食いつないでいる状況なのは理の当然というか、そらそうだろみたいな。
今時、バンドブームの盲腸みたいな「バンド歌謡」ユニットがちんたらしたリズムで下手くそな歌歌ってるの聞きたい奴なんてそうそうはいないよ。そういう音楽しかこの20年聞いたことがなくって、そういう音楽以外売れないとか勝手に思い込んでいる「ギョーカイ」がいつ「(少なくとも今この時期に置いては)まともな音楽をやればスマッシュヒットで100万枚行くかもしれない」ことに気づくかどうかだね>音楽業界の浮沈の鍵
AKBコピーユニットのSUPER☆GiRLSがスタジアム中の客から、まるでそこにいいないかのように扱われていたのはあまりにも可哀想だった。彼女たちが悪いんじゃない。あんな音楽でやらされてたら、どんなに頑張ってもナニも起きない。それだけのことなんだ。
結局、20年前の型落ち音楽を必死にやっているJ-POPが先細りするのは当たり前で、そんな懐メロ好きな大人なんかごく一部だし、20年前のスタイルの音楽をありがたがって聞く若者なんか見つけるほうが大変なわけで、時計の針をちっと戻して、1980年代に一生懸命「エレキ歌謡」を売っても誰も買わないようなものだと思ってもらえば、J-POPのV字回復なんか「簡単」だということも分かりそうなものなんだが。
イカ天ブームに代表されれる「バンド」ブームも、コピー元はせいぜいパンクかグランジがってとこで、誰もビーチボーイズやビートルズ、バーズ、The Whoあるいはプログレやソフトロック/サイケをきちんと消化、あるいはコピーできていたバンドなんか出てきやしなかった。イカ天ブームのおかげでテクノ歌謡もニュウウエイヴもなかったことになり、バンドというのは「ベース1、ギター2、ドラム1、そして表現力のなさを変なクセをつけた歌い方でごまかす下手くそなボーカル、という編成でやること」になった。こんなんじゃロキシー・ミュージックのコピーすらできないし、ましてやディスコもファンクも無理だ。ビートルズの編成の出来損ない(ビートルスはボーカリスト固定グループではない!)みたいな下手くそなバンド歌謡(ロックとはリズムが根本的に異なる)なんか誰が聞きたいっての勘弁してよ。だから僕はB'zもビーイングも全然聞きたくない。なにが悲しくってそんな音聴かなきゃならんのか理解できん。そういうのいらないから。俺だけじゃなくて今、日本中の人間がいらないと思ってるから。違うって言うならミリオン連発してみせろよ>ギョーカイの(自称)耳の良い連中
AKBがまともな音でやっているとは言わないが、それ以外の「売れている」アイドルのサウンドはみんな「J-POP」離れしたサウンドでやっている。K-POPは売れ、アイドルは売れ、J-POPは売れない。こんなにわかりやすいことはない。売れる売れないは数字で見えている。AKBが売れているからまともな音でやらなくても大丈夫なんだ、なんていうのは「根拠のない何かにしがみつきたい」何かの病気だ。AKBととても良く似た音でやっているとても良く似たスタイルのSUPER☆GiRLSはスタジアム中の観客から無視黙殺されていたよ。AKBがあの音にもかかわらず売れていることは「例外」と考えるべきだと思う。そういう意味でJ-POP最後の砦がAKBであって、そこにしがみついていたら「そこが崩れたあと」どうなるか。それこそが空恐ろしい。CDが売れてないんじゃない。J-POPが売れてないんだ。
特殊なのはジャンルじゃない。音だ。そこに目を向けろ。数字を素直に信じろ。それしかないんだ。