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例のアレ

15話 花園を焼いた日

15話 花園を焼いた日


「なぜ花園を焼いたのですか?」

その研究所では永遠に枯れない花を作っていた。秘密を約束した2人。だが、実験は失敗した。業火の花園に立つ紫蘭は夢の終わりを知った。


懲罰房。マリーゴールドの死体をズルズルと引きずってくる紫蘭。先に来ていたスノウ「殺したの?」「の、はずだ」アタマに風穴の開いているマリーゴールドの死体。「頃合いを見てどこかに埋めよう」「またクラン全員の記憶をいじらなくてはいけないわ」「もうその必要もあるまい」「マリーゴールドの目的は聞いた?」「いや。いきなり撃ち合いになった」「そう。。。」マリーゴールドの頬を優しく撫でるスノウ。

(わたしは、あなたのことを守りたいのよ!)マリーゴールドの言葉が蘇る。

「もう私のことは忘れてちょうだい」「あなたの愛した人の眠るこのクランで、あなたにも永遠のやすらぎが得られますように」

「花園を焼いた我々に与えられたのは」「永遠の地獄なのにな」紫蘭がそう呟いた。

ファルスの部屋。部屋の前に人だかりができている。胸騒ぎに突き動かされるように部屋に割って入る紫蘭、スノウ。中にはシルベチカとキャメリア。「遅かったよ。たった今、亡くなった」「嘘だ!」ベッドの上、もはや息をしていないファルスが横たわっている。紫蘭が必死になって揺さぶるが、なんの反応も帰ってこない。シルベチカが窓を開け放つ。雨まじりの湿った空気が部屋の中に吹き込んできた。

部屋から紫蘭の泣き声が聞こえる。それを遠巻きに見ているカトレア。スノウが部屋から出てくる。「ファルス、死んだの?」「そうよ」スノウはそれだけ言うとフラフラと通路の奥へ歩いて行く。

マリーゴールドは?」「知らないわ。その辺にいなければ、どこかに行ったのでしょう」冷たく返事するスノウ。カトレアはマリーゴールドを探す。

カトレアは、竜胆、チェリー、そしてマリーゴールドの姿が見えなくなったことにはなにか関係があるのではないかと考えるが、クラン生たちは徐々に彼らの記憶を失っていくように見える。ナスターシャムが何をそんなに苛ついていると忠告するが、カトレアの心はおさまらない。

「何か隠してる」「スノウたちは絶対に何かを隠しているわ」

ファルスの棺が会堂の中央に安置され、クラン生たちが別れを惜しんで集まっていた。手に百合の花を持ちその列に並ぶカトレア。棺の傍らに葬儀委員たち、紫蘭、スノウ、キャメリア、シルベチカらが並んでいる。

「(あれ?)」棺の中のファルスの顔を見てカトレアは不審に思う。まもなく男子生徒たちが墓地に墓穴を掘りに出かける手はずになっている。そして、葬儀。ファルスは永遠に地面の下で眠る。

カトレアはナスターシャムに「もう一度マリーゴールドを探して」と頼む。ナスターシャムは面倒臭がるが頼み込むカトレア。このままだとまずいことになりそうな気がするのよ、と。

紫蘭はファルスの傍らに椅子を置き、ただじっと座ったままファルスの姿を見つめている。スノウが「いつ、ここを立つの?」と語りかける。マリーゴールドからの連絡が途絶えた事に連中が気づく前にはと紫蘭

「リリーはどうするの?」「わからん。ファルスがいなくなった今、リリーがどのように振る舞うのか、全くわからなくなった。お前も巻き込まれないうちにお逃げ」「もう巻き込まれてるわ」「そうだったね」

「シルベチカはリリーをどうするつもりなのかしら」

カトレアはナスターシャムからマリーゴールドがいなくなった日からヒマワリが塞ぎこんでいることを知らされる。ヒマワリを部屋に誘い込み、マリーゴールドの行方を聞くカトレア。「何も知らない!」と強く否定するヒマワリ。カトレアはナスターシャムにドアの鍵を掛けるように命じ、密室になった部屋でヒマワリと強引に関係をもつ。オトしたヒマワリからマリーゴールドの死体が懲罰房に隠されていることを聞き出したカトレアは懲罰房に向かう。

懲罰房。マリーゴールドの死体がモゾモゾと動き出す。壁ににじり寄り、床下ぎりぎりのレンガを外し、中から油紙に包んだなにかを取り出そうとする。階段を降りる音。マリーゴールドは慌ててレンガを戻し、元の場所に戻る。ランプを上げて中の様子を探る人影。鍵を回し、扉を開けるカトレア。マリーゴールドの顔のそばにランプを置いて耳元でささやく。

「死んでるとこ悪いんだけど、重要な話」「ファルスが死んだってみんな騒ぎ出してる」「どういうこと?」

マリーゴールドは目を開けると「死んでるってわかってるのになんで話しかけるんです?」

「なに言ってるの、死んでなんかいないくせに」「あなたも、ファルスも」

会堂からクラン生たちが出てくる。その背中に腰を折って挨拶する紫蘭。深々とした挨拶。寂しげな肩。

向かいの建物の一角からその様子を見つめているマリーゴールド、カトレア。

「みんなファルスが死んだと思い込んでいる」「でもわたしにはわかるんだな」「ファルスは死んでないって」根拠を尋ねるマリーゴールドに「理由は知らない。でもわかるようになったのよ。繭期になってから」

「クランに来てから、もう消えたと思ってたのに」静かに唇を噛むカトレア。あなたを信じますとだけ言うマリーゴールド

男子生徒が雨合羽を身にまとい墓掘りに向かう。早すぎた埋葬を防ぐためファルスの遺体を強奪することを企むマリーゴールドたち。死人が目の前に現れれば相手も驚くだろうとカトレアは言うが、それはどうかなとマリーゴールド。案外、驚きもせず撃ってくるかもしれませんね。あなたの命はずいぶん安いのねとカトレア。

「命の価値は相対的なものですよ。掛けるに足る任務の前では紙のように軽く、さもなくば犬死だ」

「あなた、何者なの?」「本部の使いです」「どの本部」「それは、紫蘭さんからでも聞いてください。彼女が先任だ」「胡散臭い」「みなさんそうおっしゃいます」

ところで、とマリーゴールドがヒマワリを指差して言う。カトレアにピッタリとくっついて離れないヒマワリ。「その人はなんなんです?」「なんでもないわ気にしないで」「ナスターシャムさんがすごい目で睨んでますが」「え?そんなことないでしょ」カトレアが振り向くが笑っているナスターシャム。「ほら」「(天然か)」

どこで襲撃するか検討する4人。反撃してくるのはスノウと紫蘭だけだろうというマリーゴールド。むしろ、マリーゴールドが「死んだ」ことを知っているのはその2人だけなのだから堂々と出ていこうというカトレア。どうやって埋葬を止めるのか。気の触れたナスターシャムが奇声を発しながら暴れだした隙に奪うのはどうかというカトレア。なんで私がとナスターシャム。服を汚したらどうでしょう?とヒマワリ。死人は自分で着替えられないから、葬儀は中断されます。まさか汚れた服のまま埋めないでしょうと。そのタイミングでそのまま。邪魔するスノウたちをどう抑える?実力でいいでしょう。4対2だ。1人が1人抑えれば、残った2人でファルスは助け出せる。

「あなた簡単に言うけど、スノウは手強いのよ」「カトレアさんも銃が使えるといいんですが」

ファルスの葬儀の日。マリーゴールドは黒いこうもり傘を差して何食わぬ顔でキャメリアの隣りに並んだ。世間話をするキャメリアとマリーゴールド。その姿を見てギョっとするスノウ。

「どうしました?私の顔になにかついていますか?」「君たち、相変わらず仲が悪いんだな」苦笑するキャメリア。スノウはここで一気に斬りかかるべきか迷う。カトレアがゆっくりとスノウとの間合いを図りながら近づいてくる。スノウは事情を知らないクラン生を巻き込むのを避けるため会堂へ引き下がる。

マリーゴールドが来たわ」「やはりな」拳銃を握る紫蘭。FN M1910。

「あいつが狙っているのは私の命さ」「あなた達どういう関係なの?」「わからん。だが、あいつから見た時、わたしはなにか恨みを買うようなことをしたのだろう。なにせ私は長く生き過ぎた」

降りしきる秋雨の中、男子生徒たちが棺を運び始める。窓からその光景を眺めるシルベチカ。

「リリー、ファルスとお別れよ」勝ち誇ったように言うシルベチカ。リリーは放心したように椅子に腰掛けたまま。首筋から血が流れている。これであなたは永遠に私のもの。その首筋に舌を這わすシルベチカ。

葬列が動き出す。マリーゴールドを警戒している紫蘭とスノウ。途中から加わってくるクラン生に紛れるナスターシャムとヒマワリ。ヒマワリは何かインク壺のようなものを隠し持っている。唐突に奇声を発しながら暴れだすナスターシャム。繭期よ!繭期の発作だわ!叫ぶヒマワリ。仰天している紫蘭紫蘭を守ろうと棺から離れるスノウ。男子生徒たちが棺を起き、ナスターシャムを取り押さえにかかる。ゆっくりとファルスの棺に近づくマリーゴールド。カトレアと2人、棺のフタを開けるマリーゴールド。キャメリアが気づいて二人の名を呼ぶが、ヒマワリが「TRUMPの加護のあらんことを!」と言いながらインク壺から赤インクをファルスの衣装に注ぐ。真っ赤な血の色に染まっていくファルス。嬌声を発しながら笑い始めるヒマワリ。この子も繭期だわ!叫ぶカトレア。キャメリア、マリーゴールドの襟元を掴んで「君、一体、何の恨みがあってこんなことするんだ!」と怒鳴る。マリーゴールドはシラを切る。カトレアがヒマワリを取り押さえたふりをしてその場から離れる。あっけにとられている紫蘭とスノウ。これじゃあ、葬儀は無理だ、どうしようと言うキャメリア。シルベチカが現れ「近くの小屋で衣装を変えましょう」と強く言う。葬儀は必ず今日執り行います。おふざけが酷い人たちですね?マリーゴールドに詰め寄るシルベチカ。私がこの子たちの繭期となんの関係があるんですか?とマリーゴールド

ナスターシャムとヒマワリが神妙な顔で「今のは繭期の発作だった」「申し訳ない。もう収まったので、せめてファルスの衣装の着替えを手伝わせて欲しい」と願い出る。繭期は仕方ないと許可するキャメリア。スノウはやめさせようとするがマリーゴールドが気になりその場を動けない。

小屋。ファルスを棺から出すナスターシャムとヒマワリ。着替えさせようとするシルベチカたちをいきなり殴り飛ばすナスターシャム。繭期よ!また繭期の発作よ!叫ぶヒマワリ。咄嗟に銃を抜くシルベチカだがキャメリアたちが入ってきたので慌てて隠す。ファルスの遺体を背負っているナスターシャム「裏切り御免!」と叫んで外に飛び出していく。もう滅茶苦茶だ!この件についてはクランに戻ってから査問会を開くからね!マリーゴールドに宣言するキャメリア。だから私は関係ないですよとマリーゴールド。森に消えたナスターシャムを追うキャメリアたち。

合流地点。ファルスの遺体を背負ったナスターシャムのもとに集うカトレアたち。これからどうしよう。死んでるんだよねファルス?いや絶対生きているって。私には死んでいるように見えますが。いろいろと揉めているうちに、足元に赤いインク溜まりができていることに気づくカトレア。もしかして、インクを垂らしながら逃げてた?不安になるナスターシャム。雨が降ってるからすぐ流れるでしょうとマリーゴールド。そこに銃声が響く。

拳銃を構えている紫蘭とスノウ。手を上げてその子から離れろ!命令する紫蘭。ちょっと、私たちの話も聞いて!これには訳があるのよ、とカトレア。足元に銃弾を撃ち込む紫蘭。怒りの目。言うとおりにしておいたほうが良いようです、耳打ちするマリーゴールド。ファルスを背負ったナスターシャムから離れていく3人。銃をこっちによこせと言う紫蘭。銃ってなんですか?シラを切るマリーゴールド。おふたりとも落ち着いて。私たちは皆さんに危害を加えようとかそういうのじゃないんですよ。撃つ紫蘭。びっくりしたように木陰に身を隠すマリーゴールド。カトレアが大きな声で「ファルスはまだ生きてる」「私たちは助けようと思って」と呼びかける。その言葉に驚く紫蘭。スノウは動じず、カトレアにファルスから離れるようさらに合図を送る。カトレア、同様にさっと木陰に身を隠す。ゆっくりと近づく紫蘭とスノウ。その子を降ろせ、命令する紫蘭。応じちゃダメ、ヒマワリが言う。再び銃声。木陰に隠れたマリーゴールドがその場に隠してあった銃を構えている。反対側にカトレア。やはり銃で狙っている。

「やはり、この子の身柄が目的かい、ブラドの犬!」吐き捨てるように呟く紫蘭。「誤解です。私は純粋にあなたを探しに来たんです、紫蘭さん」狙ったまま誤解を解こうとするマリーゴールド

「私達が撃ち合えば、私達が何者か、ここにいる全員にわかってしまう」「それは不都合なんじゃありませんか紫蘭さん」「記憶などいくらでも消せばいい」「スノウさんの記憶もですか?」紫蘭を見るスノウ。

「記憶を消すってどういうこと?」戸惑うカトレアたち。

「私を探しに来たといったね。理由を聞こうじゃないか」「花園を焼いた理由が知りたいんです」「貴様に何の関係がある」「結局、それがあの人の死につながるから」「お前の、フィアンセだった男のことかい」「ええ、この人と同じ名前の」カトレアは思い出した。雨の中、マリーゴールドが訪れた墓碑に刻まれた名、ソフィ・アンダーソン。この人って。。。ファルス?「おい」そのファルスが口を開いた。

「なんでこんなことになってるんだ?」ナスターシャムの背中からファルスが不満そうな声を上げた。マリーゴールドは銃を下ろした。

クラン。ファルスの部屋。火がたかれている。氷雨に長時間晒されたファルスは肺炎を起こしていた。高熱、そしてうわ言。再び、つきそう紫蘭。キャメリアは、死んだはずのヴァンプが生き返るなんて、と、首をひねっている。唇を噛んでいるシルベチカ(あのまま、埋めてしまうべきだった。。。!)

懲罰房。ビショビショの外套を着たまま閉じ込められているマリーゴールドたち。私達これからどうなるんですか?不安そうなヒマワリ。なに、命を救ったわけですから悪いようにはならないでしょう、とマリーゴールド。思いつめたように何か考えているカトレア。

「ねぇ。あなた、何者なの?」マリーゴールドに尋ねるカトレア。「あなたが銃を扱えないことがバレなくてよかった」はぐらかすマリーゴールド。スノウが降りてきて、紫蘭の部屋に案内するという。記憶を消されちゃうのかなぁ。。。不安がるヒマワリ。

紫蘭はファルスの病室で看病していたがスノウに交代してもらうと自室に向かった。「こういう外のものをクランに持ち込んでもらうのは困るのだ」「あなただってお持ちでしょう」「あれは出入りの商人から仕入れた」マリーゴールドから取り上げた銃器類が机の上に並べてある。いずれも自動拳銃だ。カトレアの持っていたベレッタM1951Rを指差す紫蘭。「コヤツに使いこなせるのか?これ」「ハッタリです」苦笑するマリーゴールド。クラン内の撃ち合いで一瞬でも相手を制圧できればそれでよかったとマリーゴールド

「以後、貴様の銃器の管理は監督生が行う。こんなものまで持ち込んでクランで市街戦でもやりたいのか!」「ハハハ、後で訓練はするつもりでしたよ」「銃器類のクラン内での使用は厳禁だ!」「だからみなさん剣をお持ちで」「繭期のクラン生がいつ斬りかかってくるかもわからないからな。最低限の護身は許している」

「私たちをどうするつもり?」カトレアが聞いた。隣でヒマワリが震えている。「記憶を消すんですか?」

紫蘭は笑うと「記憶などどうやって消すというのだ」「その女の世迷い事だ」「ファルスのことは感謝しているよ。よく息があると気がついた」「今日は礼を言おうと思ってここに呼んだ」「2人ともありがとう。もう下がっていいよ」ほっと胸をなでおろすヒマワリとナスターシャム。「マリーゴールドとカトレアは残れ」

部屋を出るヒマワリたち。突然の頭痛に襲われるが、何事もなかったかのように廊下を歩いて行く。

「あなたは酷い人だ」「クランの秘密は守らなければならぬ」ドアに向けていた手を握りこむ紫蘭

「今、紫蘭は何をしたの?」「2人から騒動の記憶を消したんですよ、イニシアチブを使って」驚愕するカトレア。

「さて、貴様らの処遇だが」「お館様にお伺いを立てた」「マリーゴールド、中央から来たというのならお館様の命には従うのだな?」「そこは組織人ですからね」

紫蘭、デスクの最下段の引き出しを開けて、底板を外す。現れる電話機。ランプが着信を告げている。

「もしもし。そうです。IDは206898110。了解しました」回線を古びたテレタイプに繋ぎ変える紫蘭。カタカタとタイプの音が聞こえる。不安がるカトレア。カトレアは今、見ている光景を生まれてからこの方どこでも見たことがない。タイプから紙を外して目を通す紫蘭

「発 クラン本部 達 ソフィ・アンダーソン・サナトリウムクラン マリーゴールド及びカトレア両名についてクラン本部よりの決定を伝える。 ひとつ。。。」言葉を無くす紫蘭

タイプ文書をマリーゴールドに突きつける紫蘭マリーゴールドは斜め読みするが「こりゃ、ないでしょう」「知るか!中央の決定だ!」「いったい、どうしたの?」

「私は以後、紫蘭さんの下についてクラン内で任務を続行するようですね」「任務って何?」「紫蘭さんを探すことです」「え?ここにいるのに?」「私に聞くな!お館様が決めたことだ!」「あなたについても書かれてますよ」「どうなるの?」「どうやら、私に面倒を見ろとのことです」「私の?」「明日から、鍛えますからね」

不機嫌になった紫蘭に退室を命じられるカトレア。カトレアさんの記憶は消さないんですか?と、嫌味をいうマリーゴールド。先ほど渡さなかった「もう一枚」の命令書を手渡す紫蘭。顔が険しくなるマリーゴールド

「これには反対です」「カトレアを我らの共犯者に仕立てあげる」「彼女は何も知らないのに。巻き込むんですか!」「クランの秘密を守るためだ。やむを得ん」「私たちのような化け物をこれ以上増やしてどうしようと言うんです!」「マリーゴールド、なぜ花園を焼いたのか、尋ねていたな」「答えてください!」

「同じだ。永遠に枯れない花、そのようなものがあってはならないのだ。その秘密を守るために、あの日私たちは花園を焼いた」「永遠の命は永遠の秘密だ。その秘密を守るために何千人というブラド機関員たちが犠牲になった。その犠牲の上に、この世界は成り立っている」「カトレアも犠牲者の1人になるだろう。だが、命の価値は相対的なものだ。掛けるに足る任務の前では紙のように軽く、さもなくば犬死に」「聞いたようなことを言わないでくださいよ」

それよりも、貴様とスノウの関係だが、と紫蘭。卑怯ですよあなたは。人の弱みばかりに嘴を突っ込まないでください!マリーゴールド紫蘭を睨みつけた。紫蘭は、済まなかった、あの時もお前たちに何もしてやれなかった、と詫びた。私だって、苦しんだよマリーゴールド

マリーゴールドは重い気持ちを抱いたまま部屋を出た。昼間の喧騒がウソのように静まり返ったクラン。雨の音だけが聞こえている。

田村芽実卒業記念。めいめいがやめるとはなぁ。。。