2008年のall aboutでポストPerfumeについて纏めたエントリが寄稿されたことがあった。
このエントリはPerfumeをフューチャーポップの成功者として捉え、その視点から紹介アーティストを選択している。
もも色vハピニャス | コスメティックロボット | COSMETICS | Peachy's | Negicco | Buono! | Cutie Pai | amU | MarryDoll | 80_pan | バニラビーンズ | Orginary Venus | Saori@destiny | Aira Mitsuki
紹介されたアーティストは多岐に渡り、既に消えてしまったものもいるが全体としては2009年時点でも有効なラインナップになっていると思う。
ここではフューチャーポップという縛りを外した形で2009年夏時点でのポストPerfumeを概観してみる。なぜなら現時点のPerfumeのサウンドはフューチャーでもなんでもないからだ。
まずフューチャーポップによらないポストPerfumeというカテゴリをきちんと定義しておこう。
1 J-POPではないこと。同時にアキバ系ではないこと。
2 正攻法なサウンドメイクがなされていてかつ高水準であること
3 徒にハイブロウな路線を走るのではなくPOPと言う枠を外さないこと
およそこのくらいだろう。特に難しくはない。極論すれば「普通の音楽」をやっている普通のユニット(もしくは個人)と言うことである。男性アーチストがここから脱落する原因は主として3による。多くの場合、J-POPではない男性アーチストはハイブロウなサウンドを志向してPOPと言う枠から外れていく傾向にある。逆の場合、多くはJ-POP(J-ROCK、J-SOUL、J-JAZZ、J-RAPetcetc...)になりがちだ。バンド演歌や器楽演歌(いわゆる歌のない歌謡曲。J-フューとか)、歌謡ロックなどはポストPerfumeのカテゴリには入らないことは言うまでもない。
そうしたときに、上記all aboutの「アイドル編」に挙がったアーチストのうち「もも色ハピニャス」と「Peachy's」はアキバ系なので当然外れる。Bouno!も同様だ。Cutie Paiも今の路線では厳しいだろう。MarryDollは謎のユニット。COSMETICSはロケットマンの名前だけが先行してしまい実体は不明のまま。80_panは消滅した。
J-POP編はこういうラインナップ
Sweet Vacation | PLASTIC LOVE | GIRL NEXT DOOR | 安室奈美恵 | Itsco | MiChi | immi | SAWA | Crystal Kay | 西野カナ | 中島美嘉 | ジョンジョリーナ・アリー
無理やり並べたのが痛々しい。ここからはSweet Vacation、MiChi、immi、SAWAくらいしか拾えない。あとは全部J-POPであり、Perfumeとは異なるカテゴリのアーチストばかりだ。これらを並べていいなら氷川きよしの方が「売り上げ」「知名度」「期待度」などの点などからよほどポストPerfumeを狙えそうなポジョションにいると思う。ポストPerfumeってそういうことを論じるものじゃないと思うのだが。
モデル編と言うのもあって
これが揃いもそろって和モノハウスのオンパレード。別にポストPerfumeはエレクトロである必要はないけど、このラインナップからはエレクトロ化以後のPerfumeを和モノハウスとして捉えていたんだなぁ(この四方という人の耳が)と言うごとが伺えて興味深い。人事じゃないですが。
で、こうして落とした後に残ったラインナップを見ると、なんか意図的に「ガールズエレクトロ」系のアーチストばかりが残っていることに気づく。別にフリージャズを武器にしてPatty Watersばりに歌い踊る暗黒歌唱ダンスユニットでもぜんぜん差し支えないのだけど、どういうわけかポストPerfumeはみんな揃いも揃ってガールズエレクトロになってしまった。
Patty Waters/彼女の黒髪(ESP)
貞子のテーマかよw こういう歌じゃねーだろ>彼女の黒髪
で、ポストPerfumeとして今一番勢いがあるのは
2 ビクター勢(cha-pon&co、スイバケ)
3 徳間勢(バニビ、その他)
5 その他 諸派(SAWA、immi、Michi、壱岐尾彩花etcetc...)
と、言う感じだろう。
個別を見ていくと時間がかかりすぎるので割愛! 5に行くにつれて和モノハウスやJ-POPに接近していくことがわかるように思う。ここいらがポストPerfumeのボーダーなのではないだろうか。