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不毛の音楽/アイドルblog

ばくわら 番外編 リリウム 最終回

最終回。


・二人は睨み合った。


・「わからず屋!」

・「それは君の方だろ?」


・「超人機構は私を手放さないよ」「みんなに迷惑がかかるだけ」

・「世界にはこんな私でも必要としてくれる人たちがたくさんいるんだ」

・「踊り子になる夢はあきらめた」「それに、私の繭期は終わった」「クランには戻らない」

・「私は、現実の世界で戦うことを選ぶ」


・「超人ね」「世界ね」「現実ね」「僕に言わせてもらえば実にくだらない」「君の繭期は終わってない」

・「君がいなくなってから、調べたよ。人間たちのこと」「君を本当にこの世界で一人にしていいのか」「結論的に言えば、論外」「こんな連中のために君が傷つく理由なんて一欠片もない」「クランに帰ろう」


・「超人とか、確かに聞こえはいいよ」「君がその言葉にこだわりたい気持ちもわかる」「人間を超えた人間」「かっこいいよ」「でもさ、これって耳障りがいいっていうだけで、かいつまめば、人間じゃない、って言ってるだけだろ」「人間は君たちのことを都合の良い時だけは超人ともてはやし、役に立たないと思えばバケモノと呼び忌み嫌う」「違うのかい?」「彼らは君の仲間じゃない」「君は彼らの仲間でもない」「この世界にいる限り、君はバケモノさ」「それがこの世界の現実ってやつ」


・「僕は、あえてはっきり言うよ」「君にこの世界を捨てさせるために来たんだ」「僕と一緒に行こう」

・「リホ・サヤシという名前は」「過去は捨ててくれ」「改めて、リリー・アンダーソンになって欲しい」


・リホは、まっすく見つめるファルスの視線に目を合わせることができなくなり

・「ファルス、ずるいよ」「なんか、言い方がずるい」「はじめっから結論ありきじゃん」「私の気持ちなんかなんにも考えてくれないんだね」「言いたいことがあるならもっとストレートに言えばいいじゃん」


・「行ってもいいよ」「ただ、今すぐは無理」「でも、今ファルスが言った理由じゃ、とてもじゃないけど行けない」「私は、リホ・サヤシという人生に誇りを持ってる」「超人という名前にプライドを持ってる」「クランと同じくらいこの世界が好き」「それを、わかってもらえないんなら、無理」「あきらめてよ」「私は行かない」


・「くだらないね」「君、ボストンバッグとか持ってる?」

・「くだらないってどういう意味。。。ボストンバッグくらいあるよ。。。くだらないってどういう意味?」

・「肌着類とか、当面必要な女の子の必需品とかは、そっちに詰めてよ」「自分で」「僕に触られるのは嫌だろ?その口ぶりだと」

・「ファルス!」「私は行かない!」

・「イニシアチブで言うことを聞かせることだってできるんだよ?」

・「(絶句)」

・「もう、そんなことしたくない」「頼むよ、みんなを待たせてるんだ」「早く行こう」

・「どう言ったらわかってもらえるの?」「私は行かないよ!」


・「君に、ここに残る選択肢はない」「リホ・サヤシさん」「永遠の命を手にしたかもしれない君は、最悪、再びヴァンプと人間の間に血の戦争を引き起こしかねない」「あるいは、君の大好きな世界は、君の身柄をめぐる人間たちの諍いで、滅びる」「永遠の命に価値がないなんてヴァンプにはとっくにわかっている」「人間たちにはそんなことはわからない。彼らには無理だ。彼らは幼すぎる」「血盟議会は君を守るよう僕に命じた」「すまない」「君がこの世界で暮らしたいことは知ってる」「愛していることも知っている」「僕が君から未来を奪った」「責任を、取らせて欲しいんだ」


・「そんなんじゃだめだ」「そんな理由じゃ納得行かない」「勝手に私の人生の責任をとらないでくれる?」「ソフィ・アンダーソンさん」「血盟議会?知った事ですか!」「なにそれ」「永遠の命成功しましたって言っちゃったわけ?」「若手研究者のホープに返り咲き?」「バカじゃないあんた!?」「また同じことの繰り返しだよ!」「私がアヤカみたいな怪物にならないって保証がどこにあるの?」「私たち一緒にいられるわけない!」「私は怪物なんだ!」「いずれ狂ってみんなを殺すかも知れない」「あの日、私たちの研究所で何が起きたのか、今だって覚えてるよ!」「血の海だった」「まるで蛇口の壊れた水道みたいに血が流れて」「みんな死んでしまった」「私が毎晩どんな悪夢でうなされてるかも知らないで」「責任を取るですって?」「おふざけじゃない!」「私はファルスとは行かない!」

・ファルスはリホを抱きしめて

・「だからクランで守る」「僕が君を守る」「永遠に守る」

・「永遠なんて簡単に口にするな」「たった3000年が耐えられないファルスが、永遠なんて口にしたって、私、信用出来ないよ」「行ってもいいよ」「行ってもいいよ」「でも、今、言ったような理由じゃ嫌だ」「私を納得させて」


・「納得すれば」「行ってもいいの?」「君、そう言ったよね」「本当に、そう言ったよね」

・「言ったよ」「でも、今のままじゃ無理」「今のファルスとは暮らせない」「無理」


・「じゃあ、こうしようか」「君はヴァンプの世界に戻る」「僕とは暮らさない」「そこで折り合いを付けない?」

・「もういいよ」「帰れ」「二度と部屋に入ってくんな!」「私もう寝るから」「部屋の掃除終わったら勝手に出てって」「表は警備がきついから、窓から帰って」「ファルスなら大丈夫だよ」「死んでも直ぐに生き返るんでしょ?」「ヒキガエルみたいに潰れておしまいなさいな」「ふざけてる」「私の気持ちなんにもわかってない」「帰って!」


・「全く」「本当に君は強情っぱりでわからず屋だ」「昔から何も変わってない」

・「行ってもいいよ」「でも、嫌だ」「納得させてくれなきゃイヤだ」


・「なんて言ったら納得してくれるの?」

・「そんなの自分で考えてよ」「自分の問題でしょ自分で考えなよ!」


・「君を、噛んだらいいの?」

・「もうとっくに噛まれたよ」「もうその手は通用しない」「きちんと考えてよ!」「私を連れて行きたいんでしょ?」「きちんと考えて」「外に理由を求めないで」「自分の言葉で、きちんと!」


・「僕と」「いっしょに来てもらえないかな」

・「ねえ、私が、なんであなたと一緒に行かなきゃなならないわけ?」


・「君は、本当に底意地が悪いね」

・「自分こそ、都合よく人を丸め込めると思わないで」


・「僕と」「いや」「そうじゃないな」「僕」「いや」

・「(じっと見つめている)」


・「知ってる?」「僕、前にもこれ言ったんだぜ?」

・「(じっと見つめている)」


・「クソッ、イニシアチブで消すんじゃなかったな」「いや、消してないと思うんだけど」「消したかな」

・「(じっと見つめている)」


・「僕と、いや、僕の」

・「(じっと見つめている)」

・「僕の、永遠の伴侶になってもらえませんか?」

・「はい」

・「はい?」「はい」「今、はいって言った?」「はいって言ったよ」

・ファルスはリホからは見えない角度で小さくガッツポーズしたが、後ろの鏡には全部写っていた。リホはそれを見て、笑いが止まらなくなって。


・「ファルス、人間の世界ではね」「こういう時に首筋は噛まないんだ」「どうすればいいか知ってる?」

・「。。。知ってる」「キ、」

・「言葉にはしないのが礼儀」


・二人はくちづけを交わした。長い長い抱擁。そして、ワルツ。


・「ねえファルス」「それでも私はいけない」「もう少し、待って欲しい」

・「待つってどのくらい?」「この世界が終わってしまうまでかな」「あと、2~30年ってとこ?」

・「そんなに簡単には終わらないよ」「私が終わらせない」「それに、私たちに時間だけはたっぷりある。100年や200年あっという間だよ」

・「言わせたいことだけ言わせておいて」「君それ少しずるいんじゃない?」

・「会いに来てよ」「外の世界に来た時は必ず会いに来て」「私一人ぼっちじゃ寂しいよ」「今だって毎日寂しいよ」「だから、これ以上、優しくするのはやめて」「私、自分が抑えられない」「だから、やめて」

・「神様はどうして君にだけこんなにつらい残酷な運命を与えたんだろう」「僕は、役に立ててるかな?」「少しでも君の役に立ててるかい?」

・「そうだね」「私を、リホからリリーに、リリーからリリー・アンダーソンにしてくれるくらいには役に立ってるかな」「ありがとう」「でも一緒にはいけない」「辛いけど、行けない」

・「わかった」「君を連れて行くのはあきらめる」「でも、リリー・アンダーソンに今日この日、なってくれたことだけは忘れないでいて欲しい」「実は僕の用件てのはそれだけなんだ」

・「知ってた」「最初から知ってた」「いつ言ってくれるのかなってずっと待ってた」

・「君にはかなわないね」「昔からそうさ」「僕は君に負けっぱなしなんだ」「クランフェストの夜からずっと」


・「お別れだね」「みんなによろしく」「ウルは飲んでよね」「飲むよ、欠かさず飲む」「田村にも飲ませてよ」「そう言っとく」「じゃ、これで行くよ」「次に来る時には言ってよね、部屋を片付けとく」


・「いや君は、常に部屋を綺麗にしておくべきだと思う」「帰りなよ」


・ファルスは明るく手を振ると、きちんとドアから出て行った。

・「なんで残ったんですか?行ったらよかったのに」

・部屋の中に田村がいた。

・「どこいらへんから聞いてた?」

・「申し訳ない。最初から聞いてました。部屋を出てなかったんですよ。実は」

・「吉澤さん?」

・「当面は、私があなたの監視役です」

・「やれやれ、冷たい組織だね」

・「永遠の命なんてないことが証明できればいいんですけど。ためしに死んでみますか?」

・「(苦笑)よろしく監視お願いします」

・「ついて行ってあげればよかったじゃないですか。背中で泣いてましたよ彼」

・「わかってるよ。でも行けない。踊りよりもやりたいことを見つけた。それは本当なんだ。私は、ここで戦うことを選ぶ。最後の一人まで戦うことを選ぶ。懐かしきわがクラン。辛いことばかりだったけど、幸せだったな。ああ、これが幸せなんだなって、何度も思ったよ。悲しいことばかりだったけど、幸せだった。めいめいには辛い思いさせちゃったよね、ごめん」

・「アレは、アヤカのイニシアチブだったんですか?それとも」

・「人間は、弱いよね。アレが私の本音だったんだと思うんだ。みんなに嫌われたくない、よく思われたい、いじめの的になりたくない、これくらいは許してもらえるんじゃないか。恐ろしい。私の中にあの時、確かにそんな気持ちがあったんだ。私の内面は、怪物よりも醜い。こんな私が永遠の命を手にして本当によかったんだろうか」

・「きっと、私が鞘師さんの立場になった時には、同じだと思いますよ。だから気にしないでください」

・「こんなこと言ってなんだけどさ、クランって本当にあったのかな」

・「この手首の傷痕が残っている限り、私は、クランのことを忘れません」

・「そうか、それが、証拠なんだ。めいめいには体に刻んだ証拠が残ったんだね」

・「メメントって映画、知ってますか? アレと同じです。思いだせ。この傷跡を見る度に、思いだせ」

・「心の傷跡はどうなんだろう」

・「私は、クランでの日々は、事実だと信じています。短かったけど、マリーゴールドとして生きたことも忘れません。いつか、母の墓参りにも行きたい。マリーゴールドのね。女手一つで周りからの迫害に耐えながら私を産み、育ててくれたんです。感謝してます。なにも恩返しは出来なかったけど」

・「立派な人だったんだね」

・「繭期が終わったらまた一緒に暮らそうと思ってたのに。気が付いたら何百年も経っていたなんて残酷ですよ。昔、母に言われた言葉で、いつか真意を聞きたいことがあったんです。それも永遠に聞けなくなってしまった」

・「私のこの手首ですが、あまり気にしないでください。鞘師さんのせいじゃない。そもそも、マリーゴールドは死にたい病だった。それが、中庭での出来事がきっかけで発作的に出たんです。直接の原因は、母です。母の言葉なんです。だから、気になさらないで。記憶が2つも3つもあるっていうのはなるほど厄介だ。いや、なんで涙が出てくるんですかね。母のことを思い出すと止まらないんですよ情けない」

・リホは、とめどなく涙を流す田村を優しく抱きしめながら

・「大丈夫だよ。めいめい、大丈夫。私はマリーゴールドのこと覚えてるよ。ひとりじゃないよ。マリーゴールドに戻りたかったらいつでも戻って。私はずっと忘れない。めいめい、忘れないよ」

・「鞘師さん、今、リリーなんですね。なんとなく、わかります」

・「(小さく)今だけじゃない。。。」

・「ごめんなさい。この事は、報告しませんから」

・「ありがとう。マリーゴールド

・「なんか、湿っぽくなってしまったな。そうじゃ、一つ、面白そうな話をしよう」

・「ウチが廣島にいた時の話じゃ」

・「どうしていきなり広島弁なんですか」

・「ウチに過去の記憶がないのは物理的な理由があるんじゃ」「子供の頃に、事故にあった」

・「ダンプにな、巻き込まれて、アタマ、潰された。新聞にも大きく載ったそうじゃ」

・「じゃけん、ウチには過去の記憶がない」「医者が言うには、脳細胞が粉砕されたからということらしい」

・「気が付くと病院のベッドじゃった」「君は首から上が再生した。きっと超人だって」「それで研究所に送られた」「リホ・サヤシというのは、そこからの名前じゃ」「それより前のことは、家族のことも含めて、実は何も知らん。知ってるふりで、今まで通してきた」

・「けど、もういいじゃろ。めいめいにだけは話しとく。でも、内緒じゃぞ?」


・(おどけて)面白いじゃろ?


・リホ、笑って部屋を出て行く。残された田村。ドアの方を呆然と指さしながら。

・「え?」

ばくわらプリンセス☆Rina! 番外編 リリウム~少女純愛歌劇~ 終



どうしてもここでプロポーズさせたいリホと意気地なくはぐらかすファルスが駆け引きの途中お互いを本名で呼びながら本音をぶつけあい、一瞬だけ研究所の悲劇に言及する前後のBGMはやはりここも「黒猫がもたらす真実」 劇中では名前が出てこないが「ソフィ=リリーラボラトリー」での出来事。二人は共同研究者だった。事件においてリリーはアヤカに対しては明白な加害者だった。