ナレーター/佐々木彩夏「時は32bit戦争最中の1996年。少年の家には次世代32bitゲーム機セガサターンが無事導入されていました」
(黙々とソニックをプレイしているメガドラ兄さん/百田夏菜子。それをぼーっと見ているサターンちゃん/高城れに)
そこに泣きながらやってくる主人公/有安杏果
主人公「メガドラ兄さん、バーチャガン繋げさせて~」
兄さん「バーチャガン?そんなの兄さんに繋げられるわけ無いだろ、サターンちゃんに頼めよ次世代32bit機セガサターンちゃんによ」
サターン「(にへらと笑って手を挙げる)」
主人公「ヤダー!サターンちゃんにはバーチャコップしか対応ソフトないんだもん!兄さん、兄さんだって32biti対応したでしょ~繋げさせてよ~!」
兄さん「五月蝿いなお前は。兄さんのこの姿をよく見なさい。一体どこにバーチャガンなんか繋げる余裕があるというんだお前は」
サターン「兄さん」
兄さん「なんだよ」
サターン「兄さんは、どうしてACアダプター三つもぶら下げてるの?」
兄さん「うるさいな仕様だよ余計なお世話だよ!文句があるなら大川さんに言えよ!」
主人公「うえ~んバーチャガン使いたい使いたい~!」
ナレーター「そこに、さっそうとあの男がやってきたのです」
声(甲高い)「ちくしょう!やりやがったな!」
主人公・兄さん「?????」
(バーチャガンを両手撃ちしながら駆けこんでくる謎の男。片足だけヒールのある靴を履いているため歩きにくそう)
男「上から来るぞ!」
主人公「あの~」
男「何だこの階段は!」
兄さん「あの~」
男「せっかくだからこの赤い扉を選ぶぜ!」
主人公・兄さん「誰?」
男「わたしの名は、コンバットしおりん!」
主人公・兄さん「コンバットしおりん!?」
ナレーター「そうです。1996年、ついにバーチャガン対応ソフト第二弾「デスクリムゾン」が主人公の家にやってきたのです」
サターン「足の長さが左右で違う気がする」
コンバットしおりん「気にしないでください」
(早速プレイしてみる主人公と兄さん)
主人公「わー仏様がいっぱい」
兄さん「何じゃこのきしょ悪いロゴ画面は」
主人公「えー、いきなりゲームなの!?ここどこー?いまなにー?」
兄さん「なんか出た!バグ?」
主人公「えーこれどうすんのー?」
兄さん「え?今の照準?なんかした?」
主人公「してないし~って言うか弾当たらない~」
兄さん「また照準、っていうかこれ横スクロール?」
主人公「え?弾切れ!?聞いてないよぉ~」
コンバットしおりん「やられた~(唐突にその場に倒れこむ)」
(呆然と立ち尽くす主人公と兄さん)
サターン「今のなんだったの?今のでおしまい?」
兄さん「知るかぁ!」
主人公「え?またここから!?」
ナレーター「そうです。デスクリムゾンは意余って力足らず。作り手の情熱だけが全開で空回りした伝説のシューティングゲームだったのです」
兄さん「っていうか、この画面、完成版?」
コンバットしおりん「仕様です」
主人公「敵がいきなりぱっと出るのって、処理落ち?」
コンバットしおりん「仕様です」
サターン「ラスボス戦でコインがパッと消えちゃうのね。次のバージョンでは直るの?」
コンバット「仕様です」
兄さん「また死んだ!」
(兄さん、血相を変えて)
兄さん「なんじゃこりゃ!どういうゲームだコリャ!なにがどうなってんだこりゃ!お前はバンゲリングベイか!ロアーウルフか!」
サターン「兄さん」
兄さん「なんだよ!」
サターン「他社機用ソフト」
兄さん「うるさいよお前は!バカゲークソゲーに機種の壁なんかどうでもいいんだ!」
主人公「うあ~んまた変なゲーム買わされた~もうセガやだぁ~!」
(おいおい泣く主人公。主人公そっちのけでクソゲーとはなにかで言い争いしているメガドラ兄さんとサターンちゃん。その隣でニコニコ微笑んでいるコンバットしおりん)
ナレーター「特異なグラフィック、癖のある当たり判定、最後まで何が起きているのかわからない世界観、読んでも意味が分からない上に肝心なことは全く書いていないマニュアルなど、ユーザーのみならず全ゲーム業界人を震撼させたデスクリムゾンとコンバットしおりんは、以後、ゲーム史に残る伝説のシューティングゲームとして人々の心に忘れられない記憶となって生き続けることになったのです」
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