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行く先不明のパソコンblog

テュワーのチケット販売制限とその意図

HPのFANCLUBの項目にチケットの販売制限が掲載された。会員権一口に対して入手可能枚数は一枚限り(0枚もありうる) これは懸念されていた業者によるチケットの大量独占を防止する上で最も合理的な販売方法であり理解できる。しかし、抽選の希望に対して次のような縛りがかけられている部分が引っかかった。

※3/15(月)・16(火) Zepp Tokyo公演に関しまして※

こちらの計3公演はエントリーの集中が予想されます。今回は“1人でも多くの会員の皆様に参加いただきたい”というメンバー・スタッフの希望により、こちらの計3公演の中からは1会員様1公演のみのエントリーとさせていただきます。大変申し訳ございませんが、予めご了承ください。

この縛りはチケットの転売防止の役に立たない全く意味のない縛りだ。抽選によって一枚しか入手できないのだから第一から第三までの希望をこの3公演にすることを拒む合理的な理由はない。キャパ分の会員が会員番号的にユニーク(重複しない)にチケットを入手できるのだから、このような事をしなくとも「1人でも多くの会員の皆様に参加いただきたい」という目的は達成できるはずである。

目的はおそらく2つある。

東京しか物理的に行けない会員を無視して、チケットの売行きが悪そうな地方の会場にエントリさせてチケットの余りをなくそうという発想だ。東京のサラリーマンが期末の忙しい時期の平日に札幌や高知に行けるわけがない。しかし、会員の地方分布からすると、東京のみに応募を集中させて落選者を大量に作ってしまうと、地方のキャパが埋まらない程度の当選者しか応募しない可能性がある。追加募集をするというのもみっともないし、それなら東京に応募できないようにしてしまえば、第二第三希望は必然的にチケットが余ってしまいそうな地方会場にならざるを得ない。余ったら転売すればいいや的な応募者に対して余り県を押し付けることができるなら興行側は痛くも痒くもない。転売防止策が功を奏して実際にライブハウスがガラガラになっても興行的にはお金は貰っているのだから関係がないという発想だろう。はじめから転売目的のチケット購入が大前提のチケット販売方法なのだ。札幌んなんかいけないから自分は絶対にエントリしないが、自分がいくわけじゃない転売屋さんは気軽にエントリするだろう。その結果、オク落札者がどうなろうとアミューズは知ったこっちゃないわけだ。


もうひとつ引っかかるのは「1人でも多くの会員の皆様に参加いただきたい”というメンバー・スタッフの希望」という文言である。同じやつは2回見なくていい(金をもらってでも見せたくない)という発想は、実はポリリズム以降Perfumeスタッフが根拠なく抱いている「釣った魚は餌を与えなくとも逃げない」という妄想によって成り立っている可能性である。Perfumeポリリズム以降、ポリリズムと同傾向のダンスチューンを徹底的に忌避してきた。その目的は「客層の拡大」である。Perfume=ポリリズムのイメージが付くとポリリズムのような曲が好きな人は熱心にCDを飼ってくれるがそれ以外の人には買ってもらえない、という発想である。その目的はBcLで顕在化し、LTW、DF、ワンデコ、TRIANGLEとほぼすべてのリリースで現実化した。これによってPerfumeのファン層は中学生の女子を中心としたJ-POPマーケットの購買層にまで広がることができた。

だが、売上はどうなったか。横ばいで頭打ちどころか明らかに低下している。GAMEとTRIANGLEの売上数を単純に比較してもらえればそれは明らかだ。アミューズのスタッフが行ったことはその意図とは裏腹に

ポリリズムを聞きたい層はDFなんか聞きたくない

という事実を顕在化させただけのことだった。当たり前で、ダンス音楽を評価する層は中学生向けの音楽など評価しない。中学生音楽を卒業したからダンス音楽を聞いているんであって、中学生音楽に用のあった時代はとっくに卒業している。したがって、BcL以降、アミューズがやったことはチョコディスやポリリズムを評価してPerfumeのファンになった層をPerfumeのファン層から駆逐したというだけのことだった。いなくなったファン層を埋めるだけのファンを獲得できなければファンは自然減するだけのことであって、それが見事にGAMEとTRIANGLEの売上数の差になって現れた。

こう書くには根拠がある。あるライブで西脇綾香が「業界の偉い人が言った言葉」として紹介した言葉だ。

客は曲を聞きにライブ会場にくるのではない。人柄に惹かれて来るのだ

翻訳しよう

アーチストのファンはアーチストのファンだから来るんだあって曲が何でも構わないんだ。どうせ連中には音楽の善し悪しなんかわかりゃしない(俺たち選ばれたギョーカイ人にはわかるけどな)

腐れ業界常識だそれは。思い上がりも甚だしい。誰がカーチス・メイフィールドの人柄なんか知ってるんだ。誰がモーリス・ホワイトの人柄なんか知ってるんだ。誰がアイザック・ヘイズの人柄なんか知ってるんだ。でも人柄を知られようが知られまいが彼らはスタジアムを埋め尽くすじゃないか。そこにあるのは曲の善し悪しだけなんだ。ギョーカイ人にはわからないかもしれないが客には曲の善し悪しがわかるんだよ。事実はそういうことなんだ。


人柄に惹かれれば、Perfumeが腐れJ-POPだけを何枚も出してもポリリズムでついたファンは離れないのか?んなわけないだろ。常識で考えろよ、マイケル・ナイマンのファンと北島三郎のファンはほとんど重ならないだろ?アーチストの実力に関わらずやっている音楽の音楽性が違えばファンは異なるというのは当たり前のことだ。ギョーカイ人は自分たち以外はすべて同じ顔をした愚民だからそんなことはないと思っているんだろうが、それこそ勘違いの際たることだ。


同じ人に見てもらっても仕方ない?根拠なく新しい客+同じ客で売上が伸びるとか思い込んで大失敗を繰り返しているのに、なんで今やPerfumeの生命線となってしまったライブでまで同じ愚行を繰り返そうとする?

そんなにポリリズム~GAME路線でついてきたファンはいらないのか?そこのファン層を切り捨てれば、本当にPerfumeはさらに大ブレークするのか?この冷え切ったJ-POP業界というフィールドで?


この「客には音楽のことなんか分からない」という考え方を捨てられるかどうかがPerfumeの今後を占う重要な鍵になるような気がする。そのためにはまず「同じ客に見てもらっても仕方ない」というふざけた発想をやめるところからはじめるのが一番いい。

いやしかし、どこまで頭が悪いんだ>アミューズ

じゃあどうすればいいの?って話?

13世紀くらいから一般的に行われているショウビズのルールに従えば、大箱で大人数の観客を入れられるアーチストが小箱で公演を行うときは

大箱X客単価=興収総額を出して、その金額を小箱の動員可能数で割った金額を客単価として設定するんだよ。

それがアーチストバリューというものなんだ。横浜アリーナを4days満席にするPerfumeが小箱で公演を行うなら、興業常識で言ったらチケット代一枚は\12000からスタートだろう。帝劇や歌舞伎座東京會舘のディナーショーとか見ろよ。きちんとした価格設定してるじゃないか。

アーチスティックバリューが突き抜けた今のPerfumeをこれ以上安売りしてどうするんだ。どうしてGANE路線で50万枚売れるのにトライアングルを売ってたかがプラチナをとるのにさえヒーヒーいわなければならないんだ。普通に売れよ。常識的に売れよ。そうしたらあんなアルバムになるかよ。ツアー規模とアーチスティックバリューだけ考えたら本当ならTRIANGLEは初動100万枚コースだろ。でもツアーで見られるPerfumeの勇姿がパッケージングされてねーじゃねーか>アルバムにもシングルにも

これじゃ売れないよ。一直線にバリューを下げるだけだよ。いい加減にしようよ。Perfumeにはなんでもできるのかもしれないけど、客はなんでもいいとは思っていないよ。ツアーが即日ソールドになるのにアルバムがやっとプラチナというのは(俺個人の音楽的嗜好度外視して)単純に数字だけから見て「客の期待するPerfume」はツアーでのPerfumeであって、アルバムやDFでのPerfumeじゃないってことじゃねーのかと自分は考える。