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行く先不明のパソコンblog

Aira Mitsuki 1bit DISCO EXPO PiCOPoP trattoria ~Darling Side@morph tokyo

デートピア商法から突然変異のように飛び出した逸材、Aira Mitsukiの1stワンマンライブ。輝門のダンス音楽に対する理解度が「どこまで行ってもトランス止まり」でありつつも、今風のクラブ音楽を「わからないなりにも一生懸命作ってる」姿勢がきちんと伝わってくる90分間。悪くないんだけど「わかってない」曲が多いのは残念でありつつも、このまま潰してしまうには惜しい「未完成の原石」の輝きを確かに感じた。

レパートリーに「踊れないハズシ系リズム曲」が少なくなくって、マーキーで本人が口にした「自分が好きなのは複雑系エレクトロだからライブではみんながのれないかも知れないのが心配」というのが、ハッタリじゃないのかもしれない程度のリアリティを持って伝わってきたのがほんとに収穫だった。いや、なんだかんだ言って口先だけでいまだ誰も名乗りを挙げない「Perfumeフォロワー界」に、完全ド素人のレベルで殴りこんでからたった1年でここまで来たのは純粋に「偉い」とほめてあげるべきだと思う。相手は百戦錬磨のASH専科卒、こっちは本当に何もできないただの素人。最初にAiraが出てきたとき、プロモや生の本人を見た界隈が失笑の嵐に包まれ「比ぶるべくもない粗悪品」の烙印を押したことを思えば「比べて劣る」という今の位置までつけてきたのは奇跡そのものだと思う。

「所詮コピー」だとみんなは笑うわけだけど、そうじゃない。カラフル・トーキョーサウンズNO.9を今のAiraのレベルでもう一度見直して欲しい。あれは「コンプリートベスト」の実に見事な「要約」なんだ。フリまで含めてよくまとめた。コピ-じゃなくて要約。そこが面白いところで。

もう一つ、Airaの「やっている事」で面白いところは、中途半端にダンス音楽をやっているところ。Perfumeが「ダンス音楽を取り入れた純粋なPOPS」であるのに、AiraはPOPSと言う方向を目指したのかどうかも疑わしい程度にダンス音楽方向に軸のふれた楽曲(ぶれたではない)をやっている。どっちがダンスフロアで踊りやすいかと言うと圧倒的にPerfumeなれど、どっちがよりダンス音楽に近い立ち位置であるかといえばAiraと言うことになる。この「踊れない種類の楽曲なのに立ち位置だけは中途半端にダンス音楽」と言う微妙さが、AiraにあってPerfumeにはない部分、つまりオリジナリティになっていると思う。ほめてますからね、ここ。

惜しむらくは、Airaを支えるスタッフ陣、大西輝門から始まって物販のあんちゃんまで、これがどうしようもなく旧世紀的なクオリティだというところ。音を聞くだけでなく現場のスタッフのナリや顔つきを見れば一目瞭然わかる様に、六本木や青山ではどうかは知らんけど渋谷では少なくとも10年前には完全に絶滅したようなセンスで溢れかえっているのが本当に残念。ま、そこまで含めてデートピアクオリティと言うことなんだろうけど。

色々書いたけど、とにかく今の特異な立ち位置は1年かけて築いた堂々たるAiraだけの立ち位置だし、このまま潰れてしまうにはあまりに惜しい素材だし、スタッフと一緒にこれからも「一生懸命」がんばってほしい。

そんな気持ちにさせてくれるよいライブでありました。


追記:ライブのあと、ネット上の音源を聞いたけど、ぜんぜんダメだ。この音と尺じゃ何もわからない。輝門楽曲の真価はAiraが歌ってないところの間奏やアウトロに現われている事が多い。そこまで含めてAiraの曲だから、高音質のサンプルをきちんとフル寸聞ける環境を早急に作った方がいいのじゃないかと思った。いや、やっつけっぽいインスト部が妙にかっこいいのよ>輝門曲 これ本当にきちんと聞いてもらいたい。マジで。