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行く先不明のlinux blog

映画「大巨獣ガッパ」

。。。主題歌であるエレキ歌謡が今の耳にはアバンキャルド過ぎて衝撃的w 日活が倒産した理由もなんとなくわかる気がするw

特撮は物凄い所と目を覆わんばかりにチープなところが混在。話によると特撮の渡辺明東宝出身だったため撮影所でスタッフの協力を得られず、金田啓治が実際の特撮を担当したため、とか。ほんまかいな。有名な熱海上陸シーンだけでなくナイトシーンの特撮のほとんどが屈指の出来なのは賞賛に値する。特に子ガッパ輸送作戦で走行中の車内からの視点で子ガッパとヘリを捉えた「追う」移動カットが凄い。おかしなたとえだけど、円谷系特撮でこのカットを実現できたのは(あくまでも可能性として)全盛期のタロウ班くらいじゃないだろうか。また、戦闘機のコクピット内から怪獣を捕らえるカメラワ-クも当時としては斬新な出来(後にウルトラシリーズで陳腐化) チープなところは潜水艦とかガッパ撃滅作戦の湖(とモーターボート)とか、特に後者はそこらの風呂屋かと見紛うような代物w 湖底のガッパも水中感なさ杉で激しく萎えるw またラストの空港シーンも「この特撮ステージは広いのか狭いのかよくわからん」とか余計な想像で映画に入って行けない様な不思議な出来で非常に困るw 合成は(一部を除いて)いい出来だった。研究所の子ガッパのシ-ンとかなにげに予算かかったろうなぁとは思う。

脚本はいいのか悪いのか微妙。加えて演出は実に平板で(怪獣映画としての)見所なし。ゴジラの本多演出が当時も今も図抜けて斬新であることを改めて痛感するような出来。あと、怪獣が暴れてるシーンにほとんど音楽が鳴らないのは「(映画の内容が作曲者の想像の範囲を越えているため)つけようがない」のだろうけど残念。こういう画面を前にしても平気で音楽を鳴らせる伊福部昭の異能ぶりを改めて痛感してしまう。もっとも、ガッパの大暴れシーンに主題歌であるエレキ歌謡が被ってもそれはそれで困るわけで。旅客機とガッパがニアミスするシーンだけは一瞬かっこいいのだけど(ニアミスに気づいた羽田管制塔がガッパに対して呼びかけるところとか)脚本に粘りが足りず演出も「ここ盛り上がりそうなところ」と言う意識に欠けるせいか不発のまま終わってしまう。熱海で自衛隊とガッパが戦うシーンも似たような感じで不発。撃滅作戦も同じ。輸送作戦に至っては吊り上げシーンがないままいきなり空に浮いている始末。また、子ガッパ返せば本当に親ガッパは島に帰るのか(そもそも子ガッパをどうやって島に連れて帰るのか)と言う社長の疑問はもっともなのに、まともに検討されもせずに流されてしまうのも疑問。このせいで「飛べない子ガッパに親ガッパが飛び方を教える」クライマックスが不発に終わっている。そもそも親ガッパが日本に来るまでで尺の半分使ってる段階で終わっている気もするわけだが。。。

まぁ、作り手の意識がエレキ歌謡止まりなのが、一番象徴的なところなんでしょうなぁ。。。