メモメモ
(東宝マーク)
テロップ「特報」
(病室。横たわったりな。その前に、あかり)
あかり「(陽気に)それでさ、かななんが」「めいめいも怒っちゃって」
りな「 」
(目を見開いたりな。宙空を見つめたまま、なんの反応もない)
あかり「。。。笑ってよ」
りな「 」
あかり「お願いだから、もう一度、笑ってよ。。。!」
(物言わぬりなの前のあかり。落魄の涙)
(車内。運転手は愛佳。右手で目を覆ったままのあかり)
愛佳「泣くな」
あかり「はい。。。」
愛佳「かつたはもう泣くことも笑うことも出来へんのや」「せやから、お前は」「泣くな」
あかり「はい。。。」
(目を覆ったままのあかり。だが、止めどなく溢れ出る涙)
テロップ「劇場版 ばくわらプリセンス☆Rina! 涙 予告編」 映倫
中澤「では、宮崎隊の補充はみやもとということで」
飯田「それにしても、おおつかといい、チャンといい、このチームは、運が無い」
愛佳「あの」「たけうち隊の補充は、どうなりますでしょうか」
由加「原理的には、エッグシステム自体に暴走の因子はありません」
吉澤「しかし、実際には暴走した」「他に原因が?」
早貴「心、かも知れないですね」「しょせん、道具なんです、タマゴは」
テロップ「突然の別れ」「近づく」「謀略の足音」
あかり「え?アメリカに?」「突然、なんで」
愛佳「上からのお達しや」「どうも、エッグのことを快く思っとらん連中がいるようやな」「重さんも勇退」「これで、プラチナ9は正真正銘、消滅」「お前らのハシゴ外して」「誰が得するのか」
舞美「本当に、みやもとかりんを巻き込んでいいんでしょうか?」「彼女はただの人間です」
梨華「いいも悪いも」「とっくに巻き込んでる」「一度、タマゴの力を使った以上は、もう、この世界の住人よ」「後戻りはできないわ」「りなちゃんのように」
テロップ「心を失った」「りな」
(ベッドの上。ただ目を見開いているだけのりな。その瞳は何も見つめていない)
あかり「りなは、タマゴを拾っただけなんだ」「なのに、わたしが声をかけたから」「りなは!」
田村「ずるい人だな」「自分から誘っておいて、いまさらそれはないですよ」「それに、かつたさんだって」「嫌いなら、断ったでしょ。タケウチさんのこと」
かな「それに」「声をかけずにいられたんか?」「ひと目見て」「かけよう思ったくせに!」
(空港。キャリーケースを引いた愛佳。見送りに来た吉澤)
愛佳「種子島?」「ロケットの、打ち上げですか?」「ずっと?」
吉澤「そうだ」「梨華と一緒にね」「突然過ぎて、コッチも驚いている」「何か、いやらしいね」
テロップ「禁じられたエッグシステム」「奪われた」「タマゴ」
あかり「ちょっと待ってください!」「タマゴをどうする気です!」
かな「こんな、一方的な!」「それに、このタマゴはUTEから支給されたものじゃ」
田村「誰の差金ですか、これは」「超人機構ですか」「それとも」
テロップ「そして」「終わりの始まり」
早貴「(青ざめた顔)みーたん。。。」
(早貴の目の前。舞美が乗っていたはずの乗用車がひしゃげて潰れている)
早貴「!」
(早貴目がけて突っ込んでくる大型トラック。動転して棒立ちの早貴!)
千聖「くそっ!」「なんの真似!」
(追い詰められた千聖たち。拳銃のみで応戦している)
愛理「どうやら」「これ、味方だね」「味方から撃たれてる」
舞「どうして!?」「わたしたち、何もしてないのに!?」
(局長室。抗議している由加。対する中澤、飯田)
中澤「出動なさい」
由加「納得の行く説明をお願いします」「C-uteは味方です!」
飯田「昨日まではね」「でも事情が変わった」「超人機構はC-uteを殲滅する」
朋子「どうして言いなりで聞いてきたの!」「こんな命令、おかしいでしょ!」
由加「私にもわからないよ!」「でも、命令なの!」
佳林「あの」「いいですか?」「同士討ち、させる気じゃないでしょうか」
植村、高木「!」
あかり「タマゴがなくたって」「拳銃があれば戦える」「岡井さんたちを助けなきゃ!」
田村「いくらなんでもそりゃ無理です」「まず、タマゴを取り戻さないと」
かな「そんなこというたかて」「どうやって」
田村「お二人とも」「私を誰だと思ってるんですか?」「怪盗田村ですよ?」
さゆ「やめなさい」「システムが暴走したら」「あなたたちも帰ってこれなくなる」
かな「どういうことですか?」「なぜ道重さんがここに」
田村「茶番はもうやめにしませんか」「私、調べたんですよ」「あなただけが、周囲の反対を押しきってリトルプリンセス救援に向かったこと」「あなたはわかっているはずです」「なぜ、超人機構はこんなことを繰り返すんです?」
さゆ「(ためらい)それは、」
テロップ「Juice=Juice」「対」「C-ute」
(由加対愛理。激しい呪文合戦)
由加「(呪文)ハルハクル!」
愛理「2人、下がって!」「ノウボウアキャシャキャラバヤオンアリキャマリボリソワカ…!」
(千聖対高木。取っ組み合いになっている)
高木「ウキキキキキキキキキ!(字幕:うるさい!黙れ!)」
(舞を囲む、佳林、朋子、植村)
舞「3人とも、話しを聞いて!」「こんなの絶対おかしいよ!」
佳林「サブリーダー!?」
朋子「いいわ」「一分だけ、聞いてあげる」
植村「ふたりとも、甘いよ!」「こいつ、捻り潰してやる!」
テロップ「最終作戦」「作戦名」「ブロークン・エッグ」
あかり「私たちの手で」「エッグシステムを破壊する」
田村「いいんですか?」「本当にいいんですか?」「りなさん、本当に帰ってこれなくなるかもしれないんですよ?」「システムを破壊すれば」「彼女も、どうなるかわからない!」
かな「もう決めたんやな」「ほなら」「やったろやないか」「なるべくなら、裏目にならんような、結末になるとええけどな」
テロップ「そして」「長いお別れ」
(重傷を負ったかな。荒い息。その場にへたり込んでいる。激しい銃撃戦のあと。手に起爆装置。カットバックしてあかり、田村)
かな「2人を最初に見た時から」「ああ、お似合いやなあって」「うらやましいなぁって」
あかり「(無言)」
かな「たけうちさんな、かつたさんは、あんたの事好きや」「なんやかんやいうても、好きや」「あんたのこと見てる時のな」「顔で、わかる」「間違いない」「ウチが保証する」
田村「(無言)」
かな「タマゴ拾ったとか拾わないとか関係ないん」「いつか、かつたさんが目を覚ました時」「誰もおらんようになってたら、かわいそうやわ」「だから、たけうちさんは生きなアカン」「絶対、生きなアカンて」
(ベッドの上のりな。一筋、涙がこぼれる)
あかり「わかった」「かななん、約束する」「生きるよ。必ず生き延びてみせる」「みせるよ」
かな「(微笑って)しあわせにな」「ほな、行くで」
田村「(目を閉じる)」
テロップ「劇場版 ばくわらプリセンス☆Rina! 涙」
(遥か彼方に立ち上るキノコ雲。雨の中、立ち尽くすあかり、田村)
田村「たけうちさん」「これでとうとう二人きりになってしまいました」
あかり「たった2人の」「テロリストだ」
テロップ「明日は」「私たちの」「最後の一日になるのかもしれない」
テロップ「8/30 涙のロードショー!」
テロップ「お得な前売り鑑賞券(2種)当劇場窓口にて好評発売中!」
テーマはドビュッシー「雨の庭」 前作であんな風になったのにちゃっかり生きているあかり、助かったようで助かっていないりな、殲滅されるC-ute、みやもとかりん加入、退場する主要キャラクターたち。実は、あかりと共に生き残るのが、なかにしかなという案も存在した。前作「マロテスク」で若干田村がクローズアップされたので二作連続はどうかという配慮から田村退場編は先送りに。組織から離れた超人たちは必ずテロリズムへ向かうテーゼ。おそらくあかりが試されるのはそのテーゼから抜けられるのか否か。