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ねぇ/Perfume

起死回生!今度のPerfumeはストレートアヘッド!!グダグダ言わずに聴け!

ねぇ(初回限定盤)(DVD付)

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堅いことを書くとPerfumeの2008年、2009年は惨憺たる2年間だった。アルバムGAMEで示された対象年齢層の低年齢層化(3部作~ポリリズムが一般社会人、Bcl/マカロニがOL/専門学校生、GAMEで一気に高校生程度の精神年齢的な歌詞構造になっている)がついに中学生/小学高校学年まで落ち込んだのがDreamFighterだった。続くワンルームディスコ、アルバム「トライアングル」ではここから男性層をふるい落とすというジェンダーターゲッティングマーケティングに沿った楽曲内容が提示され、その結果、ポリリズムまでのファン層を根こそぎ失う結果となった。ポリリズムまでのファン層は専門学校生(美大生含む)より上のどちらかというと男性層であったものが、ここで一気に、小学校高学年からOLくらいまでの女性層と、楽曲の内容とはあまり関係なく「関連商品」(水樹奈々の)としてPerfumeを求めるアキバ系成人男性層に握られることになった。それまでのファン層は「より面白いシーン」を求めデートに逃げ韓流に逃げAKBに逃げももクロに逃げ、事実上、壊滅状態にあった。


しかし、その徳間流と思われるマーケティング理論は、アミューズ主体のライブパフォーマンスとの乖離(ここでは1年近くedgeが看板となった)を招くと同時に売上の確実な低下を招いた。多くは書かないがここまでが2009年末までのPerfumeの状況であった。


2010年に入り、Perfumeを取り巻く状況は一変した。楽曲の定期的なリリース、強力なタイアップ、何よりも、楽曲の方向性が2008/09の方向性をご破算にしたような一種2007年回帰とも言うべきエレクトロニックダンスサウンドを指向し始めていた。歌詞に関しても「スイーツ路線」と揶揄されながらも、所謂J-POPが見せる「見せかけの夢」ではなくむしろ残酷なくらい現実を「見せる」方向性に変質していった。女性向け「夢」路線に飽き飽きしていた男性層を再び取り込もうとする路線であったかどうかは定かでないが少なくとも「聞くだにアホアホしい」歌詞はPerfume楽曲から消滅することになった。売上も上昇、2010年度2作目の「VOICE」でついに売上自己最高を更新するに至った。Perfumeはそこまでのファンを失うことなく「去ったファン」を呼び戻すことに成功し始めていた。


そして、ついに迎えた待望の2010年度第3弾シングルがこの「ねぇ」だ。

M1...全速力で疾走するアグレッシブかつハードドライビングな「泣かせ」系アタックチューン! タイトルこそアレだが、Perfume伝統の乗り物系チューンの最高傑作!このサウンドを待望していた! 上メロこそ2009年のトライアングル楽曲を彷彿とさせる「わかりやすめ系」旋律を採用しているが、トラックの強さは「POPなedge」と言っても過言ではない。いや、情熱だけならおそらくPerfume史上最高の熱量だろう。せつなさ、ひたむきさ、やるせなさ、全部詰まった強力ダンスチューン。Perfumeは危機を脱した。そう確信させるNBB秋のキャンペーンCMソング。

M2...いきなりエラー音から始まるチャレンジング系「テクノ歌謡」チューン。これの大人しい系がMEG「PARIS」だが、ユーロポップ調の上物の下でとんでもないトラックが流れる。このエラー音、TerukadoもC.O.P.Yの頃に使ったがあくまでもトリッキーな扱いであって、まるで当たり前のように「旋律」としてこんな暴力的なスペクトルを用いるystkは発狂したのかと思えるほど前向きかつ健全な仕事師ぶりである。いや、はっきり言って「あの曲くれたらよかったのに」「いい曲はみんなPerfume以外」と言われていたystkがおそらくGAME以降はじめて真面目に仕事したんがこの「Fake It」のトラックだろう。ystkだって今まで(馬鹿だのナンだの枯れただの落ち目だの業界筋でささやかれて)欲求不満だったんだ。そういうことを分からせてくれる「ぶちきれ」トラックがこのM2だと思う。歌詞にも注目したい。BcL以降のスイーツ路線、木っ端微塵だよこれ。よくもまぁ、徳間がこれを許したものだけど、もしかするともう原盤制作に徳間は口を挟めない契約になっているのかもな。有り体に言ってこの歌詞は「徳間批判」だと思えば間違いない(妄想

コーラス部のメロはやはりGAMEの収録曲のいくつくかを思い出させる歌謡路線だが「癖」の部分で出てくる感じ。ここはもう一つひねりが欲しいところか。


M3...M1のインスト。ystkはインストを入れる場合必ずそれ単体で聴けるようにミックスを変えてくる。本人いわく「ただのカラオケじゃつまらないでしょ?」 もう美メロとしか言い様のない「ヤスタカ節」が次々に襲ってくる奇跡のトラック。はっきり言ってM1より出来がいい!(爆

HMVでこのトラックを聞きながら涙が出てきた。やっと悪夢のようなJ-メロ路線から抜けることが出来たんだなぁ。。。と思って。


M4...M3のインスト。ここまで来るともう無敵だ。ご機嫌なノイズ系サウンドが鳴り響く異常にカッコ良いダンスチューンだ。踊り狂ってくれ!それにしてもPerfumeのシングルはいつも4曲たっぷり入っていてお買い得だよなぁ。。。

そういったわけで、なぜだかドームでのライブパフォーマンスが遅れてやってきた2009年流になっていたPerfumeではあるが、まぁ、聞いてもらいたい。これが今年最高水準のJ-POPだ。 満を持してAiraの新アルバムとどっちがいいか、勝負! あれも出来いいらしいぞ!


おすすめ度。。。☆☆☆☆☆(満点。強いて欠点を挙げると、トラックのスッキリとした健全さに対して、まだボーカル部がモヤつく。これで上メロもすっきりとJ-メロから決別してくれれば(歌詞もね)、じきにシングル100万枚への道程が現れてくることだろう。しかし、いつの間にかどエレクトロなトラックが鳴ってるわけだが、いったいポストエレクトロ路線はどこに行ってしまったのだろうか。。。)