フュージョンとして取り上げられることの多いスタッフ。
Stuff/Stuff
スタッフがフュージョンと言われる所以はその音の「黒くなさ」にあるような気がする。この映像でもリチャード・ティーの演奏はグルーブ感をあまり感じさせないタッチに終始しており、その後に入る後テーマ部からは若干カントリーの影響も感じさせる。これは、スタッフのメンバーがスタジオミュージシャンであり「奏法にジャンル的な特徴を持たずなんでもできる」ことが要求される世界にいたことが大きいのだろう。
Stuff/Sun Song
黒くないジャズファンクといった趣のSun Song。このジャンルレス感がスタッフの聴きどころだろう。しかし、リチャード・ティーの「黒くない」ピアノはどこからきたんだろうねぇ。
セカントアルバム「More Stuff」はヴァン・マッコイプロデュース作品。どの曲を彼がプロデュースしたのかは手元の資料がないのでよく分からんけど、ファン筋からはあまり歓迎されてないみたいだ>参加
Stuff/SUBWAY
セカンドからSUBWAY
Stuff/And Here You Are
スロー曲And Here You Are。黒人音楽的なフックは一切ないと言っていいくらい清々しい曲。リズムが入るパートの音型が非常にヴァン・マッコイっぽい。
スタッフのサウンドを一言で言うなら白人にも聞きやすくしたJAZZFUNKということになるのじゃないだろうか。そのためにまずグルーブ感を消し、ピアノのタッチを白人っぽくし、ギターのサウンドにカントリー色を足し(ここが実にアメリカっぽい)ひたすら陽性なサウンドを奏でた。その方向性は当時のアメリカでは受け入れられたが、いまこのサウンドをあえて聴きたいという人は少ないんじゃないかと思う。スーパーインストバンドであるスタッフだが、フュージョンのように交通概況や天気予報などでの需要もなく、アーバンファンクという方向からも評価されにくく(だってファンク色を消してるんだもん)実に時代の徒花感が漂う。
Stuffのリーダーはベースのゴードン・エドワーズだが、スティーブ・ガッドは彼を追放しあてつけのようにエディ・ゴメス(b)とロニー・キューバー(Br)を迎えてガッド・ギャングを結成する。まぁ、いろいろあったんでしょうね。