ショーターといえばクリスチャンだった頃のBN作品とSGI信者になってからの天気予報作品にあまりの隔絶があることが知られている不世出のコンポーザ/クリエイター。ここでは音楽的に光るものを多く示したクリスチャン時代の作品を取り上げよう。
Wayne Shorter/JUJU
ショーターはコルトレーン派と言われることは少ないが、この曲ではサイドマンをトレーン4からそのまま借りてコルトレーンスタイルずばりの演奏を聞かせてくれる。
Wayne Shorter/Speak no Evil
エルビンを除いてマイルス5のリズムセクションで固めたBN第三作からタイトル曲。ハンコックのソロがとにかく素晴らしすぎる。
ハンコックのご機嫌なバッキングもいいが、ソロに入った瞬間のショーター一世一代の名演を聞け!ア・ラ・モードのソロと同じくらいこのショーターのソロは切れている!
Wayne Shorter/Big Push
スポールディング入りの3管作品。非常にサウンドが尖っていることに注目したい。この傾向は続くAll Seeing Eyeで頂点に達する。
Wayne shorter/Face of the Deep
ぐんぐん下降する音階が特徴的な曲。まずハンコックのソロから入りショーターがそれを受けるというソロ回し。このアルバムは非常に硬質な曲が多く、とくに終曲「Mephistopheles」は実兄アランのペンの冴えもありフリーとしても聴かせる出来に仕上がっている。
Wayne Shorter/Tom Thumb
スポールディングとフラーという不思議な組み合わせが実現した作品。このTom Thumbはボビー・シモンズのアルバムでも聞くことができるナンバー。
Wayne Shorter/The Time of Barracudas
Gil Evansの「ギルエヴァンスの個性と発展」で演奏したナンバーを取り上げたもの。初出はBNLTシリーズであり、長らく入手困難だった。
Wayne Shorter/Water Babys
サックスをソプラノに持ち替えて初めてのアルバム。非常にとっつきにくい演奏のオンパレードである上に録音が悪いという難行苦行盤である。しかしショーターのテンションは高い!わざわざチック・コリアをスタジオに呼んでおきながらピアノレスの編成にしたのかは今だ謎。ベーシストのワルター・ブッカーにわざわざギターを弾かせてるのもなぁ。。。
Wayne Shorter/Storm
オデッセイ・オブ・イスカより名曲名演。前作を受け継ぐピアノレスな編成ながらすっきり聴きやすい内容になっており好感が持てる。それでも相当に変なサウンドであることは間違いない。
Wayne Shorterの最終作は「Moto Grosso Fieo」 ナシメントのVera Cruzなどをやっているのだけど、CDは海賊版のような形式でしか発売されないなど、相当に不憫な扱いをされている作品。
Milton Nascimento, Wayne Shorter & Ron Carter/Vera Cruz
此処にロン・カーターがいるのは何気に不思議だが、Moto Grosso Fieoのベーシストはこの人だったんである。
そしてショーター最高傑作といえば
Wayne Shorter/Footprints
Infant Eyes
この2曲に尽きる!
ショーター、どうしてダメになっちゃったんスかね。。。