Talkin’ about !!!!!!!!!!!!!

行く先不明のパソコンblog

例のアレ

「かつて希望と呼ばれた」


NYの路上で医師の男性が突如燃え上がり焼死する怪事件が起きた。火の気はなく、まるで体の内側から燃え上がったようだったと目撃者。新聞でこの奇怪な事件を読んだソフィはビリー星野の「おまえは愛するものが目の前で燃えていく景色を見たことがあるか?」という言葉を思い出す。その記事を読んだ紫蘭とリリーは「人違いで殺された」と確信する。

「ここまで逃げおおせてきたけれど、そろそろ追いつかれるのかもしれないね」つぶやく紫蘭

怪事件の現場に足を運ぶソフィ。彼はそこで夢の中で手術したはずのマリーゴールドという女性の姿を目撃する。クランにいるはずの彼女がNYにいるわけはない。刺殺された少女を刺した「マリーゴールドそっくりの女」のことを思い出すソフィ。マリーゴールドのあとを尾けようとするソフィだが、若いバーテン風の男にぶつかってしまい彼女を見失う。

ソフィから身を隠したマリーゴールドに「うかつな行動は謹んでほしいな」と釘を指すキャメリア。先程のバーテン風の男も合流して「ソフィさんはもう行きましたよという」

バー。カウンターでシェイカーを振っている先程の若い男。ソフィがそうとは知らずに入ってきてカウンターに座る。ウエイトレスのレイナ・ホワイトが「メープル、さっきのお客さんのチャージだけど」と声をかけようとしてソフィの顔を見てあっとなる。

「僕の顔になにかついてる?」怪訝そうなソフィ。レイナは失礼しましたと頭を下げて裏に入ってしまう。ウエイトレスの失礼を詫びるメープル。

別室。監視カメラでソフィが入店したことにきづいて「まずいな」とつぶやくキャメリア。「ここの店で間違いないのね?」とマリーゴールド。「そのとおりだけど、彼は邪魔だ」

「なら出ていってもらうまで」マリーゴールドはビリー星野にソフィがバーにいると連絡する。しばらくするとビリーが入ってきてソフィともめ出す。他のお客様の迷惑になるから裏でお願いしますとメープル。

次の瞬間、女の悲鳴が聞こえた。その女の目の前で若い男が燃え上がっている。

「人造イレギュラーだ!」「どれが?」監視カメラの前のキャメリアとマリーゴールド。一人の男を指差し「この男だ!」と叫ぶキャメリア。ライフルを手に飛び出して行くマリーゴールドマリーゴールドが店内に飛び込んで男を燃やしたイレギュラーを撃つ。だが、弾が命中しているにもかかわらず反撃してくるイレギュラー。

「不死の技法がお前たちだけのものだといつまで思っているつもりだ。ブラドの犬ども」不敵に笑うイレギュラー。「ソフィ・アンダーソンに用がある。出てこい!ソフィ・アンダーソン!」名前を呼ばれて面食らうソフィ。キャメリアも加わって銃撃するがイレギュラーはびくともしない。メープルとレイナが客を外に逃がし始めるのを見て入口付近の客を燃え上がらせるイレギュラー。「化け物どもめ!」吐き捨てるようにつぶやくビリー。ソフィはビリーに「君はなにを知ってるんだ?彼らは一体何者だ?」と聞くが「おまえのお仲間だよ!」と返される。

マリーゴールドはイレギュラーに傷つけられたふりをしてその場から逃げ出す。追っていくイレギュラー。それを追うキャメリアを見てソフィもそれがキャメリアであることに気づく。

(なんでキャメリアがこんなところにいるんだ!?)

人気のない路地で戦うマリーゴールドたち。マリーゴールドは誰も見ていないことを確かめてからヴァンプとしての戦い方に切り替える。銃ではなく武器と体術を駆使しての戦闘。最後にイレギュラーの頸動脈に噛み付いて息の根を止めるマリーゴールド。ソフィたちが駆けつけたときにはすでにイレギュラーの身体はボロボロの灰になり紙くずのように風に散っていった。ソフィはキャメリアに呼びかける。キャメリアは人違いだという。

「僕の名はウル。ウル・デ・リコといいます。どなたかとお間違えでは?」その名前に聞き覚えのあるソフィ。
(そうだ、昔見た映画だ・・・主人公、ソフィ・アンダーソンの親友の名前がウル!)

ソフィを無視して立ち去ろうとするキャメリアたちだがその前に立ちはだかるビリー星野。お前たちの正体を掴んだぞ化け物どもめ!と叫ぶ。マリーゴールドはビリーの懐に金をねじ込むと「もう関わり合いにならないでほしいとお願いしたはずですよ星野さん」と釘を指す。こんなもので俺の口を塞げると思っているのかと叫ぶビリーだが、マリーゴールドとの間にバーテン姿のメープルが割って入りビリーを叩きのめす。

「きょう皆さんが見たものはすべて夢です」「忘れてください」政府機関のIDを示してビリーとソフィに警告するマリーゴールド。ビリーを介抱するソフィ。「君たちは何者なんだ?」「いったい僕が君たちとなんの関係があるんだ!」ソフィが尋ねるが「お元気で」とだけ挨拶して去っていくキャメリアたち。

その姿を物陰から見ていた二人。紫蘭とリリー。リリーはブルブルと震えている。

車を運転するキャメリア。マリーゴールドに「ねぇ君。君だって名乗っても良かったんだぜ彼に」と言う。マリーゴールドはぼんやりと街の明かりを眺めながら「だっていまさら」「もう彼には奥さんだっているのよ」「それに」

「ガーベラって名乗っても、彼がその名前を覚えていなかったら悲しいじゃない」「だから、やめたの」「彼はわたしの希望だったわ」「でも希望は死んだ」「ガーベラも死んだのよ」

ソフィの家。ソフィはまだ帰宅していない。子どもたちを寝かしつけたリリーが居間に戻って来る。よく堪えたねと言う紫蘭。もしあそこでおまえがイニシアチブを発動させていたら、お前たちが「生きていること」がブラドの犬にも、原初主義者たちにも気づかれてしまったかもしれない、と。だがリリーは震えながら言った。

「違うの。私はイニシアチブを発動させようとした」「でも、誰かのイニシアチブの干渉で、わたしのイニシアティブは発動しなかった」「わたしよりヒエラルキーの上位にあるイニシアチブが発動していたのよ」

「お前はソフィよりもイニシアティブのヒエラルキーが高いんだよ?」「お前より高いヒエラルキーの持ち主って、それは」

帰宅するソフィ。二人は押し黙った。