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Talkin’ about !!!!!!!!!!!!!

不毛の音楽/アイドルblog

例のアレ

例のアレ「黒いウル」

「黒いウル」


喘息持ちのクラン生、リースはクランにミルクを運ぶベトナム帰りのトラック運転手、ビリー星野と恋仲になっていた。何も知らないビリーはリースにプロポーズするが、純潔の誓いを理由に交際を断るリース。森の中で発砲音を聞いたビリーは、射撃訓練のあとに拳銃の分解をしているマリーゴールドとカトレアに出会う。これはベトナムでよくやったと手早く組み立ててみせるビリー。ビリーは拳銃を扱うマリーゴールドたちを見て、カトレアは素人だが、マリーゴールドは軍隊以外で訓練を受けているねと指摘する。ベトナムでは何をしていたんですかとマリーゴールド。狙撃大隊に所属していたとビリー。部隊が全滅するまでは。

地図を広げインドシナ半島を示すマリーゴールド。人間たちは愚かだ。人間同士で滅びの殺し合いをまだやっていると紫蘭。私達がいるところはどこ?と素朴に尋ねるカトレアに答えようとするマリーゴールドだが、スノウが恐ろしい顔でそれをやめさせる。「ここは
クラン。それ以外のどこでもないわ」「そんな顔しなくても」


ビリーはすれ違った少女に挨拶するがいつも返事がもらえないという。その少女の名はフォーレ。嫌われてるのかなというビリーだが、フォーレは口がきけないんだよ済まないねと紫蘭

フォーレはある雨の日にクランの門の前でうずくまっていた。ひどい高熱を発していて、喋ったのは自分の名前だけ。熱が引き目を覚ますと言葉を失っていたという。耳は聞こえているようなんだけどねと紫蘭。その日から彼女はクランで暮らしているが、クラン生ではないという。毎日「塔の子どもたち」の世話をしている。

ビリーがスノウに言う「てっきり親子だと思ってましたよ」「誰と誰?」「紫蘭さんとあのフォーレっていう子」フォーレに仕事を言いつける紫蘭の優しげな顔。

「塔の子どもたちって、なんなんですか?」紫蘭に尋ねるマリーゴールド。「重篤な繭期の子、特に重いイレギュラー持ちの子があの塔に集められている」「閉じ込められて?」「お前も不用意に近づかない方がいい」「なぜ?」「自殺させられるよ」肩をすくめるマリーゴールド

「しかし、そんな重篤な子の世話を外部の者に任せていいんですか?」「あの塔で見たことは口外厳禁だからね。むしろ口がきけない方が都合がいいのさ」「あなたは想像以上にひどい人だ」紫蘭に言うマリーゴールド


夜。リースを襲う発作。ウルを飲むが役に立たず、ベッドの上でひきつけを起こしている。忍び寄る死の影。そこに現れた女がリースに取り引きを持ちかける。


「永遠の命に興味はない?」「本当に永遠に生きられるの?」


その女から「依頼」を受けたリースは紫蘭の部屋から「ウル」を持ち出そうとする。部屋に入ってきた紫蘭フォーレに鉢合わせしたリースは、フォーレを人質に取るとそのままクランから脱走する。


フォーレの身を案ずる紫蘭は、マリーゴールドとカトレアにフォーレ救出を頼みこむ。ビリーのトラックを借りようと交渉するマリーゴールドだがリースを愛するビリーから「彼女を傷つけないでくれ」と条件を出される。スノウは、ビリーに「マリーゴールドたちには決して乱暴はしないように命じる」と約束しながら、マリーゴールドには射殺を許可する。「クランの秘密、ましてやウルを外に持ち出すことは絶対に許されない」冷たく言い放つスノウ。

雨の中、ベトナムでも毎日雨が降っていたというビリー。ベトナムでは何人も仲間が死んだ、もう人が死ぬところを見るのはたくさんだというビリー。追いつかれ「私は死にたくない」と嘆くリースに「永遠の命なんてそんなに有り難いものじゃない」というマリーゴールド。リースは「黒いウル」の力でイレギュラー能力を爆発させる。マリーゴールドたちからリースをかばったビリーが巻き込まれ、やむを得ずリースを撃つマリーゴールド。ビリーはリースを止めようとするが、黒いウルの衝動を抑えきれないリースは取り押さえようと組み付いたカトレアを異常な力で地面に叩きつける。ビリーが見ている前で自分のイレギュラー能力を使いたくないマリーゴールド。カトレアが瞬間的にイレギュラーを使い燃え上がるリースの身体。それでもカトレアにに迫るリースに対してやむを得ずとどめを刺すマリーゴールド。「おねえちゃん、やっとあなたのところに行けるよ」そう呟いて燃え尽きていくリース。ビリーは燃え上がるリースの姿をフォーレに見せまいと庇う。フォーレの瞳に確かに写っている炎。ビリーのトラックでクランに運ばれるリースの遺体。


リースに「依頼」をし、黒いウルを与えたのはトランプ信者だろうと言う紫蘭。だが、なぜフォーレを連れ出したのか。ビリーからリースを死なせたことで激しくなじられるスノウ。町に降りて警察に通報するというビリーに、ここで見たことはすべて忘れなさい、さもないとあなたも永遠にここから出られなくなると警告するスノウ。そこに現れるカトレア。フォーレがベッドからいなくなっておりクランの中を探しているという。スノウは瞬間的にファルスの身に危機が迫っていると感じ、二人を伴ってファルスの病室に急ぐ。

ファルスのベッドのそばにナイフを手に持って立っているフォーレ。振りかざすが飛び込んだ紫蘭に止められる。フォーレこそが今回の黒幕であるトランプ信者であり「トランプの偽物」であるファルスの存在はトランプへの冒涜であり許せないと自らの目的を語り出す。マリーゴールドたちの意識をリースに集め、ファルスの守りを手薄にするつもりだったというフォーレ。リースは最初から捨て駒だった。「お前、一体いつからそんな風に思うようになったんだい?」フォーレをトランプ信者の洗脳から解こうと必至に説得する紫蘭だが、自分は最初からソフィー・アンダーソン暗殺のために送り込まれた使者であり、全てはお前たちを騙すための演技だったと言うフォーレ。だが、口のきけないフォーレに接した紫蘭から実の娘のような愛情を注がれる事は誤算だった。その注がれた愛情の分だけ自分の判断は狂ってしまったと。銃を乱射して逃走を図るフォーレだがクランの屋上に追いつめられる。逃げ場が無いことを悟ったフォーレ紫蘭に(愛情の裏返しである)呪いの言葉を浴びせると「TRUMP万歳!」と叫んで身を躍らせる。その光景にショックを受けた紫蘭は心臓に強い痛みを覚えて倒れこむ。フォーレの持ち物から見つかる「黒いウル」それを地面にぶちまけて踏みにじるマリーゴールド


ビリーは町へ行き警察でこの出来事を話すが、戻ってみるとクランへの道は消えていた。


話を聴き終えた医師は戸惑いながら「そういう話は、僕じゃなくて精神科の医師のほうが詳しく聞いてもらえるんじゃないかな」という。ビリーは苦笑しながら「精神科ではお前はまったく正常だ、そういうお伽話はアンダースン先生が専門だって言われたんですよ」と言う。「でも僕は血液内科だからね」とアンダースン。「吸血鬼たちがひっそりと暮らすクラン、映画とかではそういうのはあるけどね。現実にはどうなんだろう」「でもたしかにクランはあったんです。たしかに」「僕が子供の頃暮らしていた療養所もクランといったんだよ」「先生もあそこにいたんですか?やっぱりクランはあったんだ!」「いや、クランなんて名前の療養施設はいくらでもあるだろう」「どういうわけか、花の名前なんです、全員」「僕のいたところもそうさ。僕はヒルガオ、ファルスって呼ばれていた。親からもらった本名はソフィなんだけどね」「彼女の名前はリース、でも本名はマリアでした」「リースの花言葉は神聖だからね、そこから取ったんだろう」「先生は永遠の命ってどう思います?」「僕の療養所の仲間は病気でみんな死んだ。そんなものが本当にあるのなら、たとえどんなことがあろうと与えてやりたかったよ」「先生は?」「残念ながら、僕も、長くはないらしいよ」「そうか、じゃあ、クランじゃないのか」


「そのクランでは、もう800年もの間時間が流れていないんですよ!」「君、落ち着いて」


ビリーは病院の外でうなだれたまま時を過ごしていた。先ほどの医師がスーツ姿で現れる。子供連れの家族らしい人々が彼を出迎える。だが、ビリーはその中に見覚えのある女を見た。


紫蘭さん!あんた、やっぱり!」駆け寄ろうとするビリーに足を出して転ばせるマリーゴールド。その間に、その幸せそうな家族は人混みに紛れてどこかに行ってしまった。ビリーに手を差し伸べるマリーゴールドマリーゴールドを睨むビリー。「やっぱり、あんたたちだったのか!」「これ以上の無用な詮索はやめていただけませんか星野さん」「あんたたちは一体何者なんだ!」「ヴァンプ」「ヴァンプとはなんだ!」「TRUMPの末裔たち」「TRUMPってなんだ!?」「それを、探しているんですよ。もう3000年もの間」「3000年。。。永遠の命か!」「我々はヴラド機関。TRUMPを追う者。人間のあなたには関係のないことです」「化け物!」悲しげな顔のマリーゴールド「私だって化け物に生まれたかったわけじゃないんですが」

「じゃあ、お幸せに」マリーゴールドはビリーを置いて人混みに消えていく。追いかけようとしたビリーもまた人混みに飲まれていく。

日系二世のビリー星野は岸本ゆめの、クラン生であるリース(Rice)は稲場愛香、TRUMP教団の特攻要員であるフォーレ(Forest)は森戸知沙希。 ラストに登場する医師、ソフィ・アンダースンは工藤遥。ロカビリー世代のビリーが音楽談義でマリーゴールドに好きなアティストは?と尋ねるが、マリーゴールドは「プレスリーとかはちょっと。私はボブ・ディランとかPPMとかが好きですね」と答えて「彼氏の影響かい?」と突っ込まれるシチュエーションがある。医師時代のファルスはCCRをよく聞いていた(12話)


追記 当初はビリー星野は出演者におらず、代わりにヴァンプタイムス紙の記者・ジェリーとして山木梨沙が出る予定で、タイトルも「熱い氷」。TRUMP教団から送り込まれた3人のダンピールがなすすべもなく犬死にしていく物語。口のきけないフォーレの設定はそのまま。リースは竜胆と同じ店にいたと名乗る流しの売春婦でマリアという役名だった。