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不毛の音楽/アイドルblog

例のアレ

イレギュラーの能力とか考えるのめんどくさくなった。書きたいのはそこじゃないし。。。

21話 マリーゴールドと会わないで

ローズの埋葬が終わり、紫蘭は残って墓碑に話しかける。「律儀に約束など守らずともよかったのに」「せっかくクランの外に出たのならそのまま何処かへ行っても良かったんだよ」「お前さんがいなくなってまたクランが寂しくなる」「あたしたちはあたしたちでなんとかやることにする」「オダマキと幸せにね」そのまましゃがみこんで動かなくなる紫蘭マリーゴールドとカトレアが慌てて飛び出していく。

「なんだいお前たち。先にお帰りといっただろ」「こんなところにずっといたら死んじゃいますよ」「大げさだねお前は」「とにかくクランに戻りましょう」「風邪をひいて死ぬヴァンプというのは傑作だね」笑う紫蘭。だが足元はおぼつかない。

紫蘭の体は冷えきっており、床に就いてから高熱を出した。マリーゴールドが様子を見ているからと言い、スノウはファルスの病室に戻る。「監督生、辞めるの?」「もう、うんざりなのよ。そもそもなりたくてなったわけじゃない。ファルスが無理やり」「監督生バッジ、似合ってると思うわよ?」「余計なお世話だわ」部屋を出て行くスノウ。カトレアが妙にスノウになれなれしいマリーゴールドを訝しんでいる。

「あなたたち、本当、どういう関係なの?」マリーゴールドは答えない。

マリーゴールドが医者を呼ぼうと提案する。そもそも監督生が看病するシステムというのがおかしい。繭期と関係なく病気になる子もいるでしょうとマリーゴールド。キャメリアはお館様が定期的にお医者様を遣わしてくださる。それ以外の診察は認められていないよと答える。

「その医者はいつ来るんです?」「春ごろかな」「定期健診の話じゃありませんよ」「仕方ないだろ。そういう決まりなんだ」

紫蘭が熱に浮かされながらファルスの看病をすると言って聞かない。困ったスノウはファルスのベッドの隣に紫蘭のベッドを置き、2人並べて看病することにする。紫蘭は口やかましく指示を出していたが、やがて、自身も病床の人となった。苦笑いするスノウ。

マリーゴールドは独断で医者を呼ぶ。現れた医者は実はTRUMP信者であり、ファルスの身柄を狙っていた。TRUMP信者はこのクランとTRUMPは関係があると思っている。TRUMPの行方を探し求める彼らはファルスが何かを知っているはずだという。マリーゴールドは我々が易々と玉を手放すと思いますか?と言うが、医者は「お前のようなブラドの犬が守ってくるのはわかっていた」と言い、看護婦に化けていたイレギュラー能力者にマリーゴールドを襲わせる。カトレアの援護を得てイレギュラーを倒し、医者を取り押さえるマリーゴールド。だが医者は何者かに殺されてしまう。

監督生の断りもなしに外部と連絡をとったことを責めるスノウ。あなたは監督生を辞めたのでは?とマリーゴールドに言われ、余計なお世話よ!と言って監督生室に入っていくスノウ。その胸に監督生バッジ。

それにしてもファルスさんは永遠に眠り続けるんでしょうか?マリーゴールドはカトレアにそう話した。だが。

その晩、ファルスはふと目覚めた。見慣れぬ部屋。妻が椅子に座ったまま眠っている。隣のベッドに母親がいる。(ここは、母さんの部屋か?)ファルスは確か自分のベッドで寝たはずだと思った。体が鉛のように重い。絶望的に気分が悪い。いつものことだと思う。やっとの思いで起き上がると母親の毛布をかけ直す。母親が苦しそうな顔で寝ている。汗ばんだ顔、気管が鳴っているのが聞こえる。熱があるようだ。ファルスは妻を起こさないように気をつけながら氷嚢を作ろうと去年母親にプレゼントしたGE製の冷蔵庫を探した。(おかしいな。母さん部屋の外に出したのかな)「何してるの!」とつぜん妻が声を上げた。口に指を当てて静かにするように頼んだが、妻は驚いたまま凍りついている。(おおげさだな…)ファルスはそう思ったが小声で「冷蔵庫どこ?」と聞いた。「冷蔵庫?」妻が絞りだすような声で言う。「眠っていたところを起こして申し訳ないけどね、母さん、熱があるみたいなんだよ。氷嚢をつくりたくてね。あれ、母さんの部屋に置いただろ?GE製の」「お母様、熱があるのよ!風邪なの!」「それはわかってるんだよ。だから冷やさなきゃと思ってね」妻はしきりにファルスのことを心配し、母親の看病は自分でするからベッドに横になってと繰り返す。ファルスは、もういいよ、君は寝ていてくれ、僕がやる、と言ってベッドから離れた。

「やめて!」妻が悲鳴を上げる様な声で叫んだ。ファルスは驚いて。「リリー、僕はいま、なにか君の気に障るようなことしたかい?」「あなた病気なのよ?」「それは、わかってるよ。そうじゃなく、母さんが」「お願いよ、横になって」ファルスは妻のただならぬ気配に気づいた。「落ち着いて。僕が横になってから、母さんとなにかあったかい?」ためらったあと、低く曇った声で妻が言った。

マリーゴールドが来てるの」その名前を聞いて、ファルスは押し黙る。

「わかったよ、彼女には二度と来ないようにと、明日会ってきちんと僕から話す」「マリーゴールドと会わないで」妻が縋るような声で言った。ファルスは絞りだすように「わかった。彼女には会わない。約束する。彼女はいまどこに?」「お願い、マリーゴールドには会わないで!」「…君には済まなかったと思ってる」「もう、横になって。お母様の看病は私がするから」ファルスはベッドに戻った。そうか、彼女が来ているのか。「TRUMPは見つかったんだろうか」「TRUMPなんて実在しないわ!もういい加減、そういう子供じみたことを言うのはやめて!」「君には本当に申し訳ないことをした」「いいから、眠って。私とお母様でマリーゴールドの相手はするから。お願いよ」「わかった。君の思う通りにしていいよ」ファルスはベッドに戻ると程なくして眠りにつく。また、永遠の眠りが続く。

スノウは、顔を覆い声を押し殺して泣いた。

マリーゴールド紫蘭のベッドの傍らに座っている。紫蘭は夕べ見た夢のことを話し始めた。

「夕べ、息子夫婦が喧嘩している夢を見たよ」「原因は何だったんですか?」「どっちがあたしを看病するかで揉めてたね」「お前が看病しろって」「逆だよ、逆」「親孝行な息子さんでよかったじゃないですか」「ただ、嫁がね、気になることを言うんだよ」「なんです?」

「言っとくけど、あたしに息子はいないし、だから息子の嫁というのもただの夢の出来事さ」「わかってますよ。紫蘭さんは永遠の21才なんですよね?」「その上で、言うんだけどね。嫁が言うには」「はい」

「ファルス、マリーゴールドに会わないで」

「え?」「夢の話さ」マリーゴールドは悲しそうな顔になって「そうですか。スノウさんがね」と言った。