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Talkin’ about !!!!!!!!!!!!!

不毛の音楽/アイドルblog

例のアレ

第11話。良い子は読んではいけない内容になった。良い子は読んじゃダメ。

11話 イニシアチブの渦


豪雨。


塔の上に立つシルベチカ。見上げるスノウ、紫蘭

シルベチカ「ひとを愛するということがそれほど間違っていますか!?」

寮の屋根に登った黒衣のマリーゴールド。世界観から見て明らかに場違いな形状のライフルでシルベチカを狙撃すべく待機している。

マリーゴールド「まったく。酷薄な世の中ですねぇシルベチカさん」「『許せ、お前たちは力を持ちすぎた』」

ファルスの病室。ベッドの上に臥せっているファルス。その傍らで土下座するようにシルベチカの命乞いをしているキャメリア。

ファルス「キャメリア、残念だけど」「シルベチカは死なないよ。いや死ねないんだ」「たぶん、僕と同じさ」「ここは僕らの牢獄」「もっと早く気づくべきだったんだ」

シルベチカ、リリーの形見となったペンダントを握りしめる。

シルベチカ「私これからもみんなと一緒にいたい」「あの人と一緒になりたい」「それが出来ないなら」「全部いらない」

スノウ、剣を紫蘭に向ける。紫蘭マスケット銃をスノウに向ける。病室。ファルスの首を絞めているキャメリア。クラン全体で寮生同士の殺し合いが始まっている。悲鳴と助けを求める声。

マリーゴールド、イニシアチブに影響されていない。鼻歌を歌っている。「♪小鳥が調子はずれに歌い、雨雲が月を隠しても。。。」(ピーター&ゴードン「愛なき世界」) 冷静にシルベチカの頭部を狙って、撃った。


雨粒を弾きながら塔から落ちていくシルベチカの身体。



ファルスは今朝方見た不思議な夢のことを思い出していた。なんであんな夢を見たんだろうか。ファルスにはわからなかった。リリーが静かに今日もファルスの傍らに座っている。


地下の図書室跡。迷い込んだミモザはそこでもつれ合う男女の姿を目撃す

る。ミモザは女から口止めされるが、良心の呵責に耐え切れなくなり竜胆に告白してしまう。竜胆は純潔の誓いを破った女生徒、シルベチカを呼び出して詰問する。最初はしらを切っていたシルベチカだが、相手の男子生徒のことをファルスに報告すると言われ認めざるを得なくなる。シルベチカの相手はキャメリアだった。2人は半年前から愛し合う関係になっていたのだ。お願いだから誰にも言わないでと懇願するシルベチカに、二度とこのようなふしだらな関係を結ばないと約束なさい、と言う竜胆。彼と結ばれながら何度も何度もいけないことだと思おうとしました、でも、この気持ちは抑えられないというシルベチカ。汚らわしい。吐き捨てる竜胆。誇りあるクランの生徒として、その振る舞い、ふさわしいとは思えません。涙を流して許しを請うシルベチカ。犬猫のたぐいのごとく、ただしたいからするというのであればクランでなくともキャメリアでなくとも足りるのではないかしら。クランを出ていき、行きずりの男とでも情を交わす生き方をなさい、とはねつける竜胆。どうしても、許してはもらえないの、と言うシルベチカ。キャメリアと距離を置くか、クランを出ていくか、明日、答えをちょうだい。他の監督生への報告はそれまで待ってあげる。竜胆はそう言うとシルベチカを置いて去る。ふらふらと中庭に歩み出て土砂降りの雨を浴びるシルベチカ。


夜。キャメリアの部屋がノックされる。ドアを開けるとずぶ濡れのシルベチカが立っている。驚くキャメリアだがとっさに彼女を中に引き入れる。男子寮に来てはいけないよ、シルベチカ。自らが濡れることも厭わず優しくシルベチカを抱きしめるキャメリア。何も言わずにただ黙っているシルベチカ。タオルと着替えを用意するキャメリア。シルベチカはずぶ濡れの制服の前を開けていく。そして、「寒いの、キャメリア、温めて」と言った。

夜開け。男子の制服に身を包んだシルベチカがこっそりと男子寮から出てくる。渡り廊下で仁王立ちしている竜胆。これがあなたの答えなのね。わかりました。それだけ言うと踵を返して女子寮の方に去っていく竜胆。その背中に向けて叫ぶシルベチカ。

「ひとを愛するということがそれほど間違っていますか!?」


「ケダモノ!」竜胆はシルベチカに向けてそう言った。シルベチカは凍りついたように立ち尽くして。


翌日。竜胆が監督生室に駆け込んできた。お父様からの返事が来たの!やっとお許しが出たのよ!使いの方が間もなく見えられるわ!私、家に戻れることになったの!矢継ぎ早にそうまくし立てる竜胆。あっけにとられるキャメリアたち。


浮かれている竜胆を脇目に「いつそんな報せが来たんだ?」「そのような連絡はお館様から受けていない」訝しむ監督生たち。スノウが竜胆に事の次第をただすと、竜胆は申し訳無さそうに「私、お館様の

目を盗んでお父様宛に手紙をお送りしていたのです」と切り出した。紫蘭は竜胆に、もしよければその手紙を見せてはもらえまいかと言う。竜胆は手紙の束を取り出して紫蘭に渡す。だが、その中に肝心の書簡はない。首を傾げる一同。竜胆は浮かれて、出立の準備があるのでこれで、と手紙の束をひったくるようにして出て行ってしまう。廊下でシルベチカとすれ違う竜胆だが、まるでシルベチカが見えていないのかのように傍らをすり抜けていく。シルベチカの視線の先に怯えた表情のミモザ


シルベチカはミモザの耳元まで唇を近づけると「許さない」と言った。


馬車が中庭に入ってくる。降り立った男は「こちらに竜胆という娘とミモザという娘はおられますか?」と尋ねる。竜胆は私です。頬を上気させた竜胆が現れてうやうやしく一礼する。これはうつくしい。。。驚嘆の息を漏らす男。では早速、品定めをさせていただきます、男は言った。


ファルスの部屋。ベッドに臥せっているファルスのもとにリリーが飛び込んでくる。馬車がやってきて、竜胆とミモザを連れて行くと言っているの!ファルスはリリー落ち着いて、と言った。竜胆のお父様から使いが来て、と言いかけたファルスの頬をいきなり打つリリー。


「私の話をちゃんと聞いてファルス!あれは使いなんかじゃない、人買いよ!」


車いすに乗せられたファルスがリリーに押されて中庭にやってくる。馬車の周りに集まったクラン生たち。ざわついている。人混みをかき分けて馬車の間に進み出たファルスはありえない光景を見る。


人買いの馬車の前に、一糸まとわぬ姿で立たされている竜胆とミモザ。竜胆はまるで自分になにが起きているのかわからないかのように幸せそうに微笑んでいる。その隣で泣きじゃくリながら周囲に助けを求めているミモザ。首輪に鎖をつながれ、手枷をはめられている2人。傘をさした一同の中で2人だけがずぶ濡れのまま立たされていた。一体これはどういうことなんだ?!手近のクラン生に聞くファルス。お館様のお許しが出て竜胆が実家に戻るということらしいよ、そう答える生徒。これがそんなものに見えるか!?叫ぶファルス。他の監督生はどうしたんだ!?キャメリアたちを探すがその場にはいない。


ホールから現れる人買いの男とスノウ、紫蘭。スノウたちは青ざめて震えている。ファルスを見つけて会釈する人買い。ファルスは説明を求める。人買いはお館様から許しを得て2人を引き取りに来たのだという。懐から取り出した手紙に記されたお館様のサイン。紫蘭は「ファルス、これは本物だ」と言う。ファルスは喉元まで僕はこんなものにサインした覚えはない!と言いかかるが、生徒たちの前で正体を明かすわけには行かず。ファルスはスノウに「なぜ竜胆は人買いを死んだ父親の使いだと思ってるんだ?」と聞く。スノウは「イニシアチブ」と短くつぶやく。ぎょっとして周囲を見回すファルス。少し離れた傍らでその光景を見守っているシルベチカ。


人買いが金貨の詰まった袋を2つ取り出してスノウの手に渡す。やめて。。。小さくつぶやくミモザ。スノウは逡巡するが、結局は受け取らざるをえない。その瞬間、泣き叫んで逃げ出そうとするミモザ。馬車に繋がれた鎖がガチャガチャと鳴る。竜胆は幸せの絶頂にいる。


ファルスは人買いに待ってくれというが、金を手渡した以上、この2人は自分のものという。買い戻しされるならそれでも結構ですがというが、その価格は法外なものでありとても払えるような額ではない。2人はこれから?と尋ねるファルス。港町に連れて行き、そこで開かれる人買い市で競りにかけますという。これほど美しい娘であれば驚くほどの高値で売れるでしょうと目を細める人買い。命じられるまま馬車に乗る竜胆。ミモザは頑なにその場を動かなかったが御者に抱きかかえられ強引に馬車に載せられる。やがてミモザの叫び声だけを残して馬車はクランを出て行った。


ファルスは怒りに震え、キャメリアはどこだ?とスノウに聞く。スノウは、多分、女子寮よ、と短く答えた。ファルスがリリーとともに女子寮に向かったあと、スノウは祈るように手を胸に当て、馬車の去った方向に跪いた。もうそばには紫蘭しかいない。スノウは竜胆の幸福をただ祈り続けていた。


ファルスがリリーの肩を借りてシルベチカの部屋の前に立つ。鍵は開いていた。リリーが先に入り、あっとなって顔を覆う。どうしたんだ?遅れて入ったファルスは目の前でもつれ合う男女の姿を見た。キャメリアとシルベチカだった。放心した表情のシルベチカが先に来客に気づく。だがキャメリアの下にいるシルベチカはそのままされるがままに身を任せている。ファルスはカッとなってキャメリアの名を怒鳴った。慌てて我に返るキャメリア。こういうことか、こういうことかよオイ!シルベチカとつながったまましどろもどろにこの場の言い訳をはじめるキャメリア。ファルスはそんなことはどうだっていいんだ、なぜ竜胆とミモザを人買いに黙って引き渡したんだ!という。


「お館様」凛とした声でシルベチカが言った。「お館様がそうお決めになったの。そうよねキャメリア?」


「そ、そうなんだ」「あの使いの方がお館様の許可状をお持ちになられて」「僕もどうかなとは思ったんだけど」「竜胆がそれでよいと言いだして」「ミモザは、すごく嫌がっていたけど、竜胆がどうしても連れて行くと言いはって」「どうしようもなかった」「僕たちにはあれ以上どうすることも出来なかったんだファルス」


リリーは大胆なゼスチャーでキャメリアが言い訳をする度にシルベチカが小さく喘いでいるのに気づいていたがずっと顔を背けていた。その横顔をじっと見つめているシルベチカ。まるでファルスは眼中にないかのように。

「ねえ、キャメリア、続けて」両足を彼の肩に載せっぱなしにしていたシルベチカがおねだりするように言った。キャメリアは言われるままに行為を再開する。ファルスたちの見ている前で。シルベチカが声を殺しながらキャメリアの下で悶えている。いたたまれなくなって部屋を出るファルスとリリー。


「ねえキャメリア」「親友ってどうやって壊したらいい?」「私、あの子が壊れていくところをまた見たくなっちゃった」「あの子のことがこんなに好きなのに」「あの子だけが幸せになるなんて」「私、耐えられない」


「みんな、ズタズタになってしまえばいい」シルベチカはそう呟くと快楽の渦の中に没入していった。


ファルスの部屋。ファルスは悔しさのあまり涙を流していた。あんな奴、今まで親友だと思っていたのか僕は。情けない、ほんとうに情けないよ。リリーはその言葉を聞きながら自分の身体の芯が異常なほど火照っていることに気づいていた。さっき目の前で見せられた光景が頭の中に焼き付いて離れない。リリー、どうかしたのかい?いつもは朴念仁のファルスがリリーの様子が変なことに気づいた。リリーは口を開くと変なことを口走ってしまいそうで何も言えないまま立ち尽くしている。ファルスは、リリーが何を考えているか直感した。その瞬間、ファルスの心臓が大きく鳴った。どうしよう。。。ファルスはまるで繭期の少年のように込み上げてくる衝動と戦っていた。おかしい、こんなのはおかしい。ファルスは戸惑った。リ。リリー。今日は部屋に戻っておやすみよ。カラカラに乾いた口からやっとその言葉を絞り出すファルス。リリーはコクリと頷く。その仕草が、ファルスの自制心を破壊した。


「よく見たらリリー、君、ずぶ濡れじゃないか」「え?」「服を脱いで暖炉で乾かすといい」優しく話しかけるファルス。ファルスの前で肌を見せることをためらうリリー。誰が人が来たら大変だね、気が付かなかったよ、ごめんね。そう言ってリリーの目の前で部屋の内鍵をかけてしまうファルス。リリーは追い詰められていることに気づく。ファルスは優しく、病気の僕は君に指一本触れることは出来ないよ、といい恥ずかしいならあっちを向いていても良いからといってベッドに横たわる。リリーは仕方なく暖炉の前に立ち震える指で首元からボタンを外し始めた。リリーがブラウスを脱ぎ、スカートに手をかけている。ファルスは「君の方は見ていないよ」と言いながら着替えを用意するふりをして衣装ダンスからナイフを取り出した。


下着姿になり暖炉の前に来ていた服を並べているリリー、その背中越しにファルスが冷たい口調で言った。


「靴下も脱ぐんだ」「全部脱ぐんだ」「全部だ」それは命令だった。最後に残されたショーツに手をかけそれを引き落として脚を抜くリリー。その姿に釘付けになるファルスの血走った目。


ファルスは「男子の部屋に一人で入って」「自分から進んでそんな格好になったんだ」「これから君が僕にどうされるのか」「わかるよね?」と言った。リリーに迫っていくファルス。リリーは身を固くしてファルスに向き直る。曝け出された裸身。ファルスの頭の中はもうリリーを抱くことしかない。リリーが、近寄らないで、ファルス私そういうつもりじゃ、と言っているのがわかる。ファルスは隠し持ったナイフをリリーの首元に突きつけようと取り出した。


その瞬間、リリーが暖炉の火かき棒を手に取りファルスの手首を一撃した。さらに側頭部を一撃。その場に倒れ込むファルス。リリーはドアに辿り着き必死にノブをひねった。だが、鍵がかかっていて開かない。リリーは内側からドアを叩き、開けて!ここから出して!と叫ぶ。


ファルスは自嘲して、こんな火かき棒一本で僕がどうこうできると思ってんのか、こんな小娘にまでなめられて僕は。。。ファルスの鬱屈した3000年分のプライドが歪な形で燃え上がっていく。


「めちゃくちゃにしてやる」ファルスはそう決心し、リリーの髪の毛を掴んで背後に引きずり倒した。


あとはなんだか夢の中での出来事のような世界だった。ファルスは自分がリリーの中に溶けてしまっていくような感覚を何度も味わい、泣き叫んで逃れようとするリリーを何度も殴りつけた。殴るたびにファルスは高揚感を覚え、その高揚感を得るためにさらにリリーのこと殴り続けた。ファルスの口からは、思いつく限りの汚い言葉が溢れだし、リリーが自分の部屋に入ってきたことのふしだらさを、純潔の誓いを破ったことの罪を責め続けた。ファルスは途中で、ふと我に返り、自分のしていることの罪の重さに気づいたが、身体がリリーを求め続けるのを止めることは出来なかった。自分の中の何者かに命じられるままに、ファルスはリリーの中に放ち続けた。リリーの願いとかかわりなく、病身のファルスの肉体がその行為に耐えられなくなるまで、悪夢の中の出来事は続いた。ドアがノックされる音が聞こえる。誰かがずっとドアを叩いていたことにファルスは気づいた。


ドアが開いて衣服を整えたファルスが現れる。その前に立っているキャメリアたち。中に入ると床の上にうずくまり泣きじゃくっているリリー。呆然と立っているファルス。君は、なんていうことをしてくれたんだ、と、キャメリア。リリーに優しく毛布をかけるシルベチカ。僕は、懲罰房行きかい?キャメリアに尋ねるファルス。それで済むと思ってるのか! 最悪、君はクラン追放だ!


「信じて欲しい」「本当にこんなことをするつもりじゃなかった」「まるで自分が自分でなくなってしまったみたいだった」「本当なんだ」「気がついたら」「リリーを」「でもどうしようもなかった」「自分で自分が抑えられなかった」「本当に済まないと思ってる」「繭期なんだ僕は」「繭期のせいで」「気持ちが抑えられなかった」「すまない」


部屋にシルベチカが入ってくる。表面的には驚き、嘆き、リリーを抱きしめて涙を流す。だが、勝ち誇っていた。ただ、勝ち誇っていた。女として、勝ち誇っていた。唇を噛むスノウ。紫蘭は決意の表情でシルベチカとリリーを見る。


ファルスはとめどなく込み上げてくる涙を感じながら、その場で再び意識を失った。夜半には危篤状態に陥った。