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不毛の音楽/アイドルblog

リリウム TVシリーズ

リリウムをTVでやるとしたらこんな感じ。テレ東深夜枠的な感じで

ep1 サナトリウム

馬車が到着し、新しい生徒が降り立った。その名はリリー。男子寮の監督生、ファルスはリリーを一目見て運命の相手と直感する。だが、不思議な寮生、スノウは「また戻ってきたのね」と言う。ファルスはその言葉に言い様のない違和感を覚える。何かが間違っている。リリーのクランでの生活が始まった。

ep2 君は本当にバカだな(ゲスト:生田衣梨奈

リリーをめぐり、男子寮で揉め事が頻発する。呆れ返る監督生キャメリア。男子寮一のスケコマシ、ハイドランジアがリリーに求愛を宣言。規則違反を盾に求愛をやめさせようとするファルスは成り行きでハイドランジアと決闘するハメに陥る。女子寮監督生・紫蘭は状況を面白がりファルスに剣術を教えることにするが、何度やっても紫蘭には勝てない。ハイドランジアは去年のクランフェスタの剣術大会で紫蘭を圧倒した相手だ。100回戦っても貴様には勝てる見込みなどないと言い放つ紫蘭だが、ファルスは秘策を思いついたという。決闘の前日、リリーが現れてバカな事はやめてよファルス!と本当に迷惑そうに言う。ハイドランジアにコナをかけられた女生徒は全員お腹が大きくなり強制的に中退させられたというファルス。ハイドランジアの親は血盟議会の重鎮でお館様も目をつぶったのだという。君はこんな雨の日に純潔を破った罪でクランから追い出されたいのかい?と言われ、ハイドランジアは真剣で勝負すると言っていると答えるリリー。望むところさと言うファルス。そんなことよりも、決闘者は2人、どちかが必ず君のパートナーとなるんだ、いまからその時の態度を決めておいたほうがいいぜ、とファルス。あなたって本当にバカね!と怒りだしてその場を去るリリー。決闘の日。向かい合うファルスとハイドランジア。「今まで僕について有る事無い事レディの皆さんに吹き込んでくれたそうじゃないかファルス」「お前がレディの皆さんに注ぎ込もうとしているイカ臭い汁よりはマシだと思うぜハイドランジア」「殺してやる勃起野郎」「紫陽花は梅雨時だけ咲いてろ」低レベルな罵り合いの果てに決闘がはじまった。あっという間に追い詰められるファルス。リリーはファルスに「いい加減負けを認めなよ!」と叫ぶが、意地になったファルスはヤケクソ気味に斬りかかっていく。ハイドランジアは鼻で笑って剣を絡めてファルスの剣を跳ね飛ばすと隠し持った短剣でファルスの胸を貫く。「ファルス!」叫ぶリリー。だがファルスはそのままハイドランジアに抱きつくと「ヴァンプを懐に入れるってことの意味がわかってないな」「色男、お前の負けだ!」と囁く。あっとなりファルスを押しのけようとするハイドランジア。一気に首筋を噛みに行くファルス。慌ててファルスを羽交い締めにして引き剥がそうとする紫蘭とキャメリア。本能を全開にしてハイドランジアを噛もうと暴れるファルス「それは男だ!」「そんな奴のイニシアチブ取ってどうするのだ!」暴れるファルスを必死になって止める紫蘭たち。その時「いい加減にしてよ!」と怒鳴って3人の頭からバケツで水をぶっかけるリリー。腰を抜かしているハイドランジア。「私は誰のものにもならない!」「喧嘩なら私のいないところでやって!」そう言うと女子寮の方に帰っていく。紫蘭が「勝者なし」を宣言する。決闘は終わった。決闘場で胸から血を流しながら座り込んでいるファルス。いつまでそこにいるつもりなんだいとキャメリア。すまないが手を貸してくれないか、ついでに医務室まで担いでいってくれると嬉しい、正直、血を失いすぎてもう、歩けないんだ、とファルス。「ずいぶんと丈夫な身体でよかったな」「ああ、親に感謝しないとな」「もう少しで死ぬところだったんだぞ」「僕は運だけは強いんでね」「あれが君の秘策か」「だって、同族噛みが始まったらみんな決闘を止めてくれるだろ?」「呆れたな。その前に死んだらどうするつもりだったんだ」「リリー、惚れなおしてくれたかな」「君は本当にバカだな」「なんだって?」男たちは寮に消えていく。女たちは呆れながら見送る。

ep3 業火

リリーはシルベチカと共に女子寮の防火責任者に選ばれ火の元の管理を任される。男子寮の防火責任者に成り代わりファルスが2人に防火の心得を説く。なんでファルスに防火を学ばなきゃならないのよと不満気なリリーだが「僕は火事を経験しているからね」と言葉少なに語るファルス。ファルスがここに送られて来る前にいたクランは、気の触れた教師が起こした火災によって焼け落ちたのだ。先輩も、親友もみんな死んだ。逃げた教師をいつか探しだして責任を取らせるのが僕の夢さ。それだけで僕はこの長いサナトリウムでの生活に耐えていける。そう語るファルス。後日、リリーは失礼なことを言ったと詫びるが、それを聞いていた紫蘭に実はファルスは無理を言って男子寮の防火責任者に変わってミーティングに出てきたのだとバラされ平手打ちを食らってしまう。ファルスがサナトリウムに送られてきた理由ってなんなの?と聞くチェリー。「永遠の命さ」「僕は前のクランで火事にあって以来、なぜだか永遠の命ってやつに取り憑かれてね」「妄想っていうのかな」頭の横をくるくると回して「それで、ここに送られてきたってわけ」「わかる?」チェリーは「なんとなく」と答える。その姿を無言で見つめているスノウ。

ep4 かくも長き不在

リリーをただじっと見つめている不思議な寮生・スノウ。スノウの視線が気になるリリーはチェリーにスノウのことを聞く。チェリーはスノウは誰とも話さない、ファルスを除いてはと答える。ファルスにスノウのことを尋ねるリリーだが「それを聞いて君はどうするの」「僕は監督生の立場上彼女の過去は知っている。だけど、彼女が君に教えていない彼女についての事柄を、許しもなく僕が君に教えるっていうのはフェアじゃないね」と冷たくあしらう。リリーは思い切ってスノウに話しかけるが「あなたはまた何もかも忘れてしまったのね」「いつもそう」「だから、あなたと話すのはやめたの」と拒絶される。驚いたリリーは「あなたは私の何を知ってるっていうの?」とスノウに問いかけるがスノウは涙を流すだけで何も答えない。「スノウがリリーのことを知っているって?」紫蘭から報告を受けたファルスは首をひねる。彼女はここに来てからずっと僕の監視下にある、外部の人間と接触したことなどありえないとファルス。だとすれば「外部の人間ではない」ということなのだろうと言う紫蘭。ファルスはリリーについて元いたクランに問い合わせの手紙を書くことにした。

ep5 私は、あの日クランで

重症の繭期をこじらせた少女が刃物を振り回して暴れだした。その場で取り押さえるチェリーとシルベチカ。だが、キズを負い血を流したシルベチカを見ているリリーの目つきがおかしいことに気づく竜胆。リリーは逃げるようにして部屋の中に入っていく。リリーの出身クランからの手紙が届き、それを竜胆に見せるファルス。竜胆はシルベチカに「リリーと距離を起きなさい」と警告する。竜胆はリリーに「もし堪え切れないようなら懲罰房に入っていてもいい」と言うが「大丈夫です。同じ過ちは二度とは犯しません」と答えるリリー。偶然その会話を聞いてしまうシルベチカ。キャメリアはファルスに「あの子は何者なんだ」と尋ねる。答えを拒むファルス。業を煮やしたキャメリアから「寮の安全のため」監督生の権限を停止させられるファルス。ファルスは抗議するが「抗議ならお館様に手紙でも書いてくれ」と突っぱねられる。監督生筆頭代理の権限を行使して竜胆が預かっていた手紙を読むキャメリア。「ここに書いてあることが本当なら」「シルベチカが危ない!」そのころ、部屋に戻ったシルベチカはそこにリリーが立っているのを見て驚く。リリーは気分が悪くなったので休んでいたのといい、部屋を出るふりをして内側から鍵をかけてしまう。シルベチカはリリーの雰囲気がおかしいことに気づくが、リリーはシルベチカの白い首筋しか目に入らない。駆けつけたキャメリアがドアを叩いて叫ぶ「繭期だ!」「リリーの繭期は重度の同族噛みなんだ!」「好意を持った相手を噛まずにはいられない!」「離れろ!リリーから離れるんだ!」押さえつけていた欲望を「親友」に知られてしまったリリーは「もう隠すことに疲れてしまった」と呟くとシルベチカの首筋に牙を向く。「あなたはそんなに弱い人ではないはずです」「自分を強く持って!」気丈に呼掛けるシルベチカ。間一髪でドアを破って飛び込んできたキャメリアたちに取り押さえられ、泣き叫ぶリリー。ファルスがやってきて「リリーを彼女の部屋まで連れて行く」という。君にその権限はないよファルス、と言うキャメリア。ファルスはキャメリアを睨みつけると「抗議ならお館様に手紙でも書いてくれ!」と吐き捨てる。紫蘭は「アレは嫉妬だな」という。「なんせ自分を噛んでくれそうにもなかったからなリリーは」と。後日、リリーは寮生の集会で自分が重い繭期を患っていること、そのために元いたクランで親友を噛んでしまう事件を起こしてここに送られてきたことを告白する。顔を見合わせ、一人またひとり去っていく寮生たち。一人取り残されるリリー。何故かチェリーだけが戻ってきて、隣に座る。「まあ、なんていうかそういうことよ」照れてそっぽを向くチェリー。リリーは泣き崩れた。

ep6 死への長い道(ゲスト:中澤裕子

繭期を長く患っていた寮生が死期を迎えていた。中央から医師がクランを訪れる。先生、ご無沙汰しています、と、挨拶するファルス。あなたも元気そうでなによりと答える医師。寮生はもはや手の施しようもなく、サナトリウムの繭期治療薬である「ウル」にも限界があるのだとファルスは言う。医師はファルスに「ウル」の改良はもうやめてしまったの?と聞くが、ファルスは「ここには設備もなく人もいない」「こんな800年前の薬が役に立たないことなんかみんなとっくにわかってる」「でもこの薬に今は縋るよりほかないんです」と小さく答える。なすすべもなく死んでいく少女。リリーは家族は呼ばないの?というが、彼女の家族はとっくにみんな死んでいると言うファルス。葬儀が終わり、医師はクランを去る「またあなたに会うことができるのかしら」ファルスは「近いうちうちまた遊びにいらしてください」と言うが「あなたの『近いうち』は50年くらい先かもしれないから」と悲しく笑う医師。リリーはその不思議な会話を聞いて「あの先生とは何時頃からの知り合いなの?」と訪ねる。彼女がクランにいた頃からさ、と答えるファルス。リリーは納得がいかずさらに聞こうとするが、ファルスの悲しげな横顔を見てやめてしまう。紫蘭は「あやつ元気そうだったな」といい「好きだったんだろ?」とからかう。「ああ、だが、僕たちは永遠を生きる」「一緒の人生は歩めなかったさ」と答えるのみだった。

ep7 クランに降る雪

冬。クランに届いた手紙を整理している竜胆。だが、竜胆宛の手紙はなく深い溜息を付く。使いの者に金子を渡し「必ずこれを届けてください」と頼む竜胆。冬を迎え雨にみぞれが混じり始める。雨はやまないけれど雪は降るのねというリリー。雪が降るとクランに人は訪れなくなる。春までは閉じ込められたままの暮らしになるのだ。やがて、雨は雪になり、世界が一面の銀世界にに変わった。竜胆がクランに送られてきた日も雪だった。竜胆は雪がふる度にクランに来た日のことを思い出す。いつか雪の日に迎えが来ることを竜胆は信じているのだ。その年の冬、来訪者がクランにあった。胸騒ぎを覚える竜胆。来訪者はある名家の主の使いであると名乗り、クランの主であるソフィ・アンダーソン様にお会いしたいと言った。ファルスは主は不在であるゆえ、代理として監督生筆頭の自分がお相手させていただきますと答える。使者はファルスが若すぎることに不満気であり、ソフィ様はいつお戻りになるのですかと聞く。春まで主は戻りませんと答えるファルス。使者は仕方なく、こちらに竜胆様というお名前の方はいらっしゃいますかと切り出した。ファルスはいったん席を外すと紫蘭に耳打ちする。驚く紫蘭。「あれは、竜胆の実家からの使者か!」紫蘭とともに席に戻るファルス。紫蘭に「あなたが竜胆様ですか?」と尋ねる使者。紫蘭は自分は竜胆の同僚であり、竜胆を紹介する前にまず要件を伺いたいと言う。主からご本人様に直接伝えるように申し使っているという使者。それでは会わせることは出来ないという紫蘭。あなたが何者なのか確かめようがない。「自称名家の使者」では用件もわからないまま竜胆をここに呼ぶことは出来ない。使者は仕方なく懐から手紙の束を出してテーブルに置く。「竜胆様から主にこのような手紙が届いているのです」「返事がほしいと書かれています」「私はその返事を承ってきた者です」「主からはご本人様に直接お伝えするようにと命じられています」「竜胆様にお伝え頂けませんか?」ファルスと紫蘭は顔を見合わせる。竜胆が呼ばれ使者と対面する。使者は主からの伝言をお伝えしますと前置きするとこう言った「竜胆という名に心当たりはない」「当家に竜胆という名のものはいない」「自分に娘はいるが竜胆という名ではなく、また庶子にもそのような者はいない」「手紙を送られる覚えはなく返事をする理由も心当たりにない」竜胆は凍りついた表情になり、それでも搾り出すような声で言った「お父様が」「お館様がそのように申されているのですか?」「本当にそのように申されているのですか?」使者は言った「お館様からお伝えするように申し使った言葉はもうひとつだけ御座います」「もう二度とこのような手紙を送られないように」「主は」「迷惑している」「と伝えるようにと」その言葉を聞いた竜胆は凍りついたまま二度と口を開くことはなかった。使者はファルスに会釈して待たせてあった旅馬車に載ってクランから離れていく。竜胆については何も尋ねなかった。ファルスは怒りを抑えきれない表情で「いくらなんでも」「もう少し言い方とか何かあるだろ」とつぶやいた。紫蘭は「仕方ない」「相手を責めるな」「理由は百も承知しているはずだ」と言う。足早に女子寮に向かう2人。竜胆は部屋の中で封さえ切られていない手紙の束を前に立ち尽くしている。ドアをノックする音が聞こえる。「竜胆、入るぞ?」「竜胆、話があるんだ。ここを開けてくれないか?」中に人の気配がするが返事がなく、紫蘭は合鍵を使って部屋のドアを開けた。「来ないで!」竜胆が普段からは思いもよらないような金切り声で叫んだ。竜胆は最初にクランに来た時の旅衣装を身につけて部屋の中央に立っていた。手に握られている短剣。ファルスは短剣には気づかないふりで優しく「そんな格好をしてどこに行くつもりだい?」と近寄る「お父様のところへ行くのよ!」「お館様にお許しを頂戴しに行くの!」「邪魔しないで!」と叫ぶと自らの喉に突き立てようとする竜胆。止めようとして揉み合いになるファルス「君、そんなところで黙って見ていないで手伝ってくれないか!」「そろそろ楽にさせてやればいいのだ」突き放したように言う紫蘭「君の親友だろうが!」「それはどうかな」なんとか短剣を叩き落とすファルスだが、フッっと気を抜く「バカ!何をやってる!」叫ぶ紫蘭。次の瞬間、ファルスは頸動脈に噛み付かれがくっと膝を折る。血が噴水のように噴き出していく。竜胆は全体重をかけて押し潰すようにファルスの首筋に牙をめり込ませていく。ファルスの手がバタバタと虚空をつかむ。紫蘭は言わんこっちゃないと言う表情で首を振り「どうするのだ」「貴様、血を飲みつくされるぞ?」「竜胆の繭期の強さを貴様とて知らんわけではなかろうに!」と呼びかける。ファルスの耳に自分の骨が砕けて行く音とゴクリゴクリと血を飲み干していく竜胆の喉鳴りの音が聞こえる。意識が途切れ始めた。さすがにこれはやばいと思う「ああ、もしかすると僕、このまま死ぬのかな、とか思い始めてるんだけどどうだろう?」「かも知れん」「いや、さすがにそれは嫌だな」「それで?私はどうすればいい?」「許しをもらいたい」「なんの許しだ?」「彼女が繭期をぶり返したのは、自分がひとりぼっちになったことを決定的に理解したからだ」ファルスは自分を殺そうとしている少女の髪を優しく撫でながら言った「彼女のその記憶を消す」「ならさっさとしろ!貴様、自分ではわかっていないのかもしれんが、もうそろそろマズイぞ!」「いやそういうわけには行かないんだ。彼女と約束したからさ」「約束?」「僕と秘密を共有すると誓ってもらう代わりに君たちにはもう二度とイニシアチブを使わないと約束しただろ。記憶を消すためにはその約束を破る必要がある」「今、そんなことにこだわっている場合か!」「嫌なんだ。紫蘭、僕はもう約束を破るのは嫌なんだ。だけど、どうやらこのピンチを乗り越えるためにはそんなことも言ってられないらしい。だから、君に許しを得たい。僕の、共犯者になってくれ」「貴様という男はまったく」「勝手なことを言ってすまないが、答えは10秒以内にもらえないか?目の前が真っ暗になってきた。あと1分持ちこたえている自信がないんだ」「わかった。この件は貸しにしておく。後で必ず返せよ」「はっきりと言ってくれ!後で僕だけが恨まれるのは嫌なんだ!」「竜胆の記憶を消してやってくれ。私からも、頼む」「ありがとう。その言葉が欲しかった」ファルスは優しく竜胆を抱きしめてやるつもりだったが、もうその力は残っていないことに気づく。ろれつの回らない声で、言った「竜胆、済まない。君の記憶を消す。約束を破って申し訳ないが、こうするしか君を救う方法がないんだ」「僕の力が足りなかった。いつも君たちにばかり辛い思いをさせて申し訳ない」「必ず、いつか必ず陽の当たるところへ連れて行く。君を連れて行く」「だから、忘れてくれ」ファルスはイニシアチブを使った。竜胆の意識がふっと途切れ、牙を突き立てたままファルスに体を預けた。そのままもつれ合って床に横たわる2人。竜胆は深い眠りに落ちた。紫蘭はあくびをしながらファルスが起き上がるのを待つ「おい、いつまで女子寮でふしだらな行為を続けているつもりなんだ?」ファルスは黙ったまま「おいまさか、ファルス、大丈夫なのかファルス!」ファルスは焦点の合わない目で天井を見つめながら「さすがに今回はやばかった」とつぶやいた。ほっとする紫蘭「いや君、ほっとしてないで、そろそろ彼女の牙を抜いてくれないか?どうやら僕はもうそんな力すら残っていならしい」「また貧血か?」「今回は少しばかり血を失いすぎたようだ」「貧血のヴァンプなんて聞いたこともないぞ。ウルの副作用なんじゃないか?」紫蘭は竜胆の牙をファルスの首筋から抜く。ファルスは首が半分千切れかかっているように見える「いや、どうもこれが僕の繭期の症状なのさ。昔からのね。ウルで抑えられるかと思ったんだけど、体質的に僕にウルは合わないらしい」「世話の焼けるやつだな」夜更け。竜胆はベッドの中で眠りについていた。ファルスに肩を貸しながら男子寮に向かっていく紫蘭「あの部屋はもう使えん」「また開かずの部屋が一つ増えたね」「他人事のように言うな」「申し訳ない」「しかし、アレだけの騒ぎというのに誰も出てこないのか」「眠ってもらったのさ」「イニシアチブか」「あははバレちゃった?」「貴様、竜胆の牙をわざと受けたのであろう?」「まあ、そういうところもあったかな」「誉められたことではないが、なんというか、少しだけ、カッコ良かったぞ」「え?」「ほめているわけではないからな!」「もしかして、惚れちゃった?」紫蘭はファルスの首をグリグリと親指で押して「痛い痛い痛い!ちぎれるちぎれるちぎれる!」「一度くらい首と胴で泣き別れになったらよいのだ!あまり心配をかけないでくれ!」「心配してくれてるんだ。へー」「正直貴様を見ているとハラハラする。行きあたりばったりな勢いで死にたがりすぎだ貴様は!」「とはいえ、死ねないからね僕は」「そんなこと私の知った事か!」「済まなかったよ。さっきのは、わざとじゃないんだ。意識がちょっと飛んでね」雨音だけが響く「大丈夫さ。君たちを置いては行かないよ。長生きには自信がある」「竜胆のことだがな」「明日の朝にはもう何もかも忘れている。使者は来なかったし、返事はまだ聞いていない」「それは、ただの先送りではないのか?」「来年のまた雪の日までは、彼女は心穏やかな日々を過ごす」「しかし、酷薄だな」「ああ、酷薄だ」

ep8 永遠の命

ep9 噂の二人

ep10 いつか陽の差すところに

ep11 シルベチカ

ep12 ソフィ・アンダーソン

ep13 少女純潔