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不毛の音楽/アイドルblog

ばくわら 番外編 リリウム あとがき ②

あとがきの続き

この作品は「謎解きモノ」ではありません。登場人物の全員が自分に都合のいい嘘ついており、真相を明かすつもりがないからです。この作品で「本当のこと」はファルスとリホの純愛であり、ラストのプロポーズとその回答だけです。ほかは登場人物が「自分の視点で」嘘をついています。リホもその例外ではありませんし、田村も同様です。どこまで本音で話しているのかはギリギリわかるようにはしましたが、決定的な解はありません。田村が、リホがリリーの人格を捨てていないことに気づき「報告しません」と約束しますが、たぶん間違いなく報告してるでしょう。そんなものです。相手を傷つけないためのやさしい嘘を登場人物はたくさんつきますが、その結末がリリーの死とアヤカ/スノウの狂気に結実するというのがお話の骨格です。謎解きと思って読んでいくと途中でリホがリホであることをやめてしまうので、混乱するかとも思いますが、実は謎解きではないというところがこの作品のポイントであったりします。どんでん返しはないんです(幕尻はおまけw

この作品のベースとなるフォーマットは「SM小説」です。大元のリリウムが基本SM小説のフォーマットに依拠しているような感じのため、この作品もその方向性を世襲しています。

「奥深い森のなかたの洋館に迷い込んだ美少女2人はそこで別人の名前を与えられ同じように暮らす美少女たちと時を過ごす。やがてここが偽り園のであることに気づき逃げ出そうとする主人公たちだが果たせず、ついに偽りの人格を本物の人格として刷り込まれてしまう。教えられた罪の記憶におののき、別人として生きることを受け入れる少女。だが、主人公を始めとする美少女たちに過酷な運命が待ち受けていた。。。」

SM小説だと待ち受ける過酷な運命は「性的な加虐」になってしまうわけですが、この作品はポルノではないので、少女たちを待ち受けるのはあくまでも「精神的」にズタズタにされる運命です。「精神的SM小説風」と言い換えてもいいのかもしれません。

今回の作品は後半が大きくカットされています。主としてシルベチカとマリーゴールドに関わるかなり部分と、紫蘭を見限るマーガレット一派の芝居、そしていよいよ「永遠の命」を投与するファルスとチェリーの芝居が切られています。チェリーがファルスと関係を持つ芝居と、ファルスをリホがダンスに誘うまでの間に挿入されます。どうせリホは死ぬわけで、他の登場人物が裏で何をしていたかを説明する意味は無いと判断して落としてしまいました。結果として、いきなりリホがベッドから起き上がっていたり、理由もなくマリーゴールドがリホの病室にいたりしますが、これはそこに至る段取りの描写を全部切っているからです。終わりに向かっているためもうこれ以上観客の意識をリホから離したくないためなのですが、その分、意味がわかりにくくなっているとは思いました。マリーゴールドが「ここも一緒か!」と叫んで行ってしまう描写がありますが、マリーゴールドは今のクランに来る前にいた別のクランで筆舌に尽くしがたいいじめと親友の裏切りを受けて手首を切って自殺を図っているんです。実は同じクランに戻ってきたことにマリーゴールド本人は気がついていないんです。理由はもちろん記憶操作されているからなんですが、それ以上に、ダンピール差別がなくなっていたから。マリーゴールドはダンピール差別のないクランと紹介されてこのクランにやってきたのですが、リホの態度からダンピール差別の匂いを感じて「ここも一緒か!」と言ってしまうのですが、シルベチカが誤解をとこうとする描写がありました。めいめいの死後、リリーが尽力してクランからダンピール差別をなくしたんですね。一方で、シルベチカは、マリーゴールドが「同一人物」であることも話してしまう。そこから、リリー危篤の知らせを聞いた2人が病室に行くという流れになっていました。決定稿前の段階でもそうなのですが、本当はマリーゴールドとシルベチカはバディ関係になってたんです(後半)最終的にふたりとも大幅に出番を削られてしまいましたが。。。2人は主役じゃないのでそこまで書き込まなくてもという感じでした。構想のみではなく実際に書いていますがまとめる際に切っています。

リホ、チェリー、シルベチカは仲良し三人組という設定。シルベチカとキャメリアが付き合っている(とっくに純潔じゃなくなっている)のは3人の中では周知の事実。チェリーがリホに「お守りよ」と言って渡すオカモトのゴムはシルベチカの私物という設定でした。「ゴム」は決してギャグではなく「外の世界」の品物が入手できる環境であることの証拠で、リホがファルスの道案内ではどうしても外に出られなかったのは、ファルスがリホを騙しているから、ということの裏付けになっています。その後、ファルスは「お館様の使いで」頻繁に外にでるのですからクランが閉鎖された空間にあるという事実はないんです。リホは箱を見た瞬間にアッチの方に頭が行っちゃって気がついていないんですね。若いっていいですね未来があって(関係ないし