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不毛の音楽/アイドルblog

ばくわら 番外編 リリウム そのじゅうに

メモ

・超人機構

・吉澤に事の次第を説明していたリホ。まったく、帰ってこないのかと思ったよ。

・不思議な事件でした、と鞘師。

・ヴァンプの村、サナトリウム、永遠の命、そんなものが実在するんだろうか。

・森のなかを調べたら、何百年も前に燃えたらしい洋館の跡が見つかったよ。君らはたぶんそこにいた。

・だが、死体は発見されなかった。人が住んでいた痕跡らしいものも見つからなかった。

・3000年の命、どう思いますか?

・我々とは時間尺度が異なるように思う。だから50年とか300年とか800年とかいう言葉がポンポン出てくるのだけど、それをまともに解釈しても仕方ないだろ。極端な長寿である可能性までは否定しないが。

・気になることがあるんです、と田村。

・彼らは中世風の衣装を着てはいるんですが、結構、文明化されていて、日本製のコンドームを手に入れていたりするんですよ。ファルスという少年は「外の世界」に行くことも多かったようです。

・ヴァンプと人間の間には協定があり、ブラド機関なる組織があるとも言っていました。

・UTEとしては、その組織は認知していないとしか言えないが、調査は必要だろうね。

・君たちの血液だが、分析の結果、特に異常は見られないようだ。ただ、要経過観察だな。

・これからずっと、モルモットということですか。悪く思わないでくれ。万が一もあるだろ。

・鞘師私室

・田村が入ってくる「鞘師さん、報告しなかったんですね」

・リホ、ニヤッと笑って「ウル、だろ?」

・全く、律儀っていうかなんて言うか、ファルスのやつ、毎週ウルを送ってくるんですよ。必ず飲めよってメモ入りで。飲まないと死ぬぞ、飲めば安心、ただし子供はあきらめろ。アホじゃないですかねあいつ。最後のなんてただのセクハラですよ。

・私のところにも来るよ。みんなどこに行ってしまったんだろうね。

・「いつまで飲む?」「ずっと飲みますよ。だって、急激に老化して、灰になってしまったら目も当てられない」「私には、もう必要のない薬なのかもしれない」「永遠の命、ですか」

・今回の事件の結果は、あと50年もすればわかるね。

・我々の仕事で、そんな先まで生きていられると思いますか?

・夢のないこと言わないでよ。懐かしきわがクラン。もう、クランと私たちを繋ぐのはこのウルだけになってしまったから、大切に飲もう。

・ねぇ、鞘師さん、私たちは本当に、ヴァンプなんですかね?

・わかったところで仕方ない。知らなくてもいい真実もあるって、あいつも言ってた。

・鞘師さん、残っても良かったんですよ?

・永遠の命さえ、なければね。残ったと思うよきっと。でも、みんなに迷惑はかけられない。

・自分の気持に、嘘をついても、仕方ないと思うんですが。

・田村は出て行った。

・窓を叩く音がした。そこにファルスたちがいた。

・どうしたの?ここ38階だよ?

・まぁ、そこは色々。

・みんなと一緒に新しいクランに行くことになったんだ。人間であるところの君に場所は教えられないけどね。それで今日はお別れに。でも、もし良かったら、僕たちと一緒に来ないか?

・遠慮しとく。超人リホ・サヤシは正義の味方。毎日悪い奴を倒すので忙しいのよこれでも。

・実は、君とどうしても話がしたいっていう人たちを連れてきたんだ。

・チェリー。

・「どうして一緒に行ってくれないの?もしかして、私の事、嫌いになってしまったから?」

・「そんなことないよ。チェリーはいつまでも私の親友だよ」

・「だったら、なぜ?」

・リホは少し黙って。

・「ファルスを、助けてあげて。あいつ、寂しがりやだから、一人じゃ何も出来ないから。こんなこと頼めるのチェリーしかいないんだ。だから、一緒に歩いてあげて」

・「知ってるんだ。やっぱり、私たちのこと」「その話はやめて」「私、あなたに謝りたくて」

・「チェリー、私は、その話はしたくないって言ってるんだよ!」「。。。」「ゴメン、大きな声を出した。でも、ファルスのことを頼みたいのは本当なんだ」「わかった。あなたを連れて行きたいっていうのはあきらめた。でも、私、やっぱりファルスとは一緒になれない!」

・「だって、彼、私の方を見てくれないんだもの。肌を合わせていても、リリーのことばかり見つめている」

・「。。。私は一緒には行けないんだ」

・「ファルスのことは、リリーに任せるわ。私は、あきらめた。この恋からは降りる。二人の未来に祝福があるように。じゃ、さよなら。我が親友」

・シルベチカ

・「私、頑張ってみます」「あきらめてはいけないということをリリーさんから教わりました」

・「赤ちゃんの名前はもう決めたの?」

・「男の子ならキャメリア」「女の子ならリリーにします」

・「クランの新しいリリーだね」

・「リリーさん、あきらめていけないということを教えてくださったのはリリーさんです」「一緒に行きませんか?」「みんな、寂しがってます」「あなたの一番大切な人も」

・リリーは寂しそうに。

・「ごめん」「みんなとは行けない」「ファルスにはわかってもらったから」

・「子供が生まれたら写真を送ります。楽しみにしてください。ありがとう。でも、リリーさんの赤ちゃんの写真も見てみたいです。それじゃ」

・アヤカ

・「ごめんなさい、私、あなたにひどいことをしたわ」

・リホはただ無言で。

・「いまさらこんなことを言える立場ではないことはわかっているのだけど」「許してちょうだい」

・「いや、済んだことですよ」「これからもクランの仲間と一緒に?」

・「そうよ」「もう半分になってしまったけど」「ファルスがみんなを説得してくれたの」

・「アヤカさん、ユウカさんのことなんですけど」「あなたがユウカちゃんではないことは聞いたわ」「本当にまだ生きていると思いますか?」「信じているわ。いつか必ず帰ってきてくれると。だから、私はクランにこれからもいようと思ったのよ」

・「でも、なぜそれを今たずねるの?」

・リホは俯いたまま押し黙って。

・「ねえ、リリー。気を悪くしないで聞いて。これが最後だから。どんな答えでも、私平気よ?」

・「やっぱり、ユウカちゃんなんだよね?」

・リホは、長い長い沈黙のあと、苦痛に満ちた表情を浮かべながら、重い口を開いた

・「いつ、気がついた?」「私が、本当のユウカなんだっていうこと」

・「あなた、自分の顔を鏡で見たことがないの?」「最初の日から、わかってた」「帰ってきたんだって」

・「ごめんねひとりぼっちにして」

・「ううん、いいの。帰ってきてくれただけで嬉しかった」「短い間だったけど、また一緒にいられて嬉しかったよ」「サキが死んで、カノンちゃんもいなくなって私ずっと寂しかった」「帰ってきてくれて嬉しかった」

・「私、帰り道を見失っていたんだよ」「ずっとあやちょのもとに帰りたかった」「でも帰れなかった」「私はずっと道に迷っていた」

・「クランに帰ってきて」「お願い」「もう私を一人にしないで」「お願い」

・「それは、出来ない」「ユウカ・マエダは、もう死んだんだから」

・「生きて、ここにいるわ」「私の眼の前に立っている」

・「あやちょ」「私はあの日あの時、死んだの」「ここに立っているユウカは、幻にすぎない」「間もなく、消えてしまう」「だから、もう、一緒には、生きていくことが出来ない」「ごめんなさい」「あなたを置き去りにしてしまう」

・「私をひとりぼっちにしないで」「ユウカちゃん。せっかくまた会えたのに」「寂しいよ」

・「私も寂しいよ」「でも、あやちょには仲間がいるよ」「新しい仲間」「ほら」

・リホが指し示す方向に、クランの仲間たちがいた。ファルス、チェリー、竜胆、シルベチカ、マーガレット、ローズ、カトレア。。。

・「仲間」「そう、新しい仲間だよ」

・「やっぱり、あなたはユウカちゃんじゃないのね」「ユウカちゃんは、そんなことは言わないわ」

・「。。。」

・「ユウカちゃんは優しいわ」「私が来てってお願いすれば、一緒に来てくれるっていうはずよ」「あなたは、来てくれないのでしょう?」「だったら、あなたはユウカちゃんじゃない」

・「そうなんだ」「あやちょ」「お別れだね」

・「本当は私もあなたと別れるのが辛い」「でもあなたは旅出った」「私はみんなと行くわ」「さようなら」

・「あやちょ、さようなら」

・「ユウカちゃん、さようなら」

・二人は窓越しに抱きあうと、ハラハラと涙を流した。気が付くと、幻は消えていた。

・さようなら、私のクラン。私のふるさと。

・パンパンと乾いた拍手が部屋の中に響いた。ファルスだった。

・「僕もね、あと3000歳若ければね、今みたいな猿芝居でも泣けたんだけど」「もうちょっと、無理みたいだ」「感性が鈍麻したっていうか」「吹き出さなかっただけ大人になったと思うよ」

・リホは涙で鼻の頭を赤くしながら。

・「ファルス、もう話は済んだはずだよ?」「私は行かない」「そもそもレディの部屋に勝手に上がりこむとかありえない」「みんなと一緒に行きなさいよさっさと!」

・開け放した窓を指さす。

・「君さ、ここ、38階だよ?」「いくら僕が不死身でも、ここから落ちたら生き返るのに骨が折れそうだ」「それに、僕は僕のプライベートな要件でここに来たんだ」「それが済むまではテコでも動かない」「そのつもりで」

・ファルスは散らかっているリホの部屋を片付け始めた。

・「ちょっと、人の荷物勝手にいじらないでよ!」

・「君、噂には聞いていたけど、これひどいね」「くっちゃぐっちゃじゃん」「なに、僕、こんな人とこれからずっと一緒に暮らすわけ?」「君はもう少し、部屋の片付けとか、脱いだ服の始末とか、そういうことに気を使ったほうがいいんじゃないかな老婆心ながら」「おいおい、覚えてもらえばいいと思うけどさ」

・「ねぇ、勝手に、クローゼット開けないでくれる?聞いてるのファルス!?」「私は一緒には行かないよ!」

・「スーツケースとかって持ってる?」「制服は用意してもらうとして」「肌着やコートとかは持っていったほうがいいと思うんだ」

・「持ってるけど」「行かないから」

・「どこにあるの?」「誰かに預けてあるとか?」「見当たらないじゃない?」

・「あるよそこに」「失礼な」「そこにあるでしょ」

・「まさか、この脱ぎっぱなしの服の下に?」「埋まってる?」「酷すぎる」

・「いいじゃん!」「使うときには掘り起こすから」「普段は使わないからいいの!掘り起こさないでって言ってるでしょ!」

・ファルスはうんざりだこんなのはという表情をしながら、スーツケースを発掘し、そこにリホのコート類を詰め込み始めた。

・「行かないって言ってるでしょ!?」

・「君さ、叫んでないで少し手伝ってよ」「自分の荷持でしょ?」

・「ファルス、まじめに聞いて」「私の話を聞いて」「私は行かない」

・「行くよ」「君は行くよ」「腕づくでも連れいていくから」

・「ファルス!」

・ファルスは、リホの荷造りをする手を止めて、こう言った。

・「僕は君を連れて行く」「君が何を言おうとだ」