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不毛の音楽/アイドルblog

JOURNEY/MEG (UNIVERSAL)

journey(初回限定盤)

journey(初回限定盤)

MEGが旅をテーマにしたミニアルバムを製作していたことは既報だった。それは前作「BEAUTIFUL」製作以前には完成しており、ystkプロデュースでもない新路線として予告されていた。前作においてHADOUKEN!プロデュースのミニアルバムが予定されてたにもかかわらず、土壇場でystkプロデュースのフルアルバムに「逆コース」してしまったMEGだが、ここにきてようやく「次のステップ」が明らかにされることとなった。遅れること約半年。

M1は珍妙なイントロに一抹の不安を感じるがまっとうなエレポップ。今回の作品全体のカラーはエレクトロからエレポップへの転換として捉えるとわかりやすいと思う。

M2はマイナーキーによる作品。欧米のガールポップ作品ではアルバム中に必ず一曲は入っているような雰囲気の曲。単音によるバックリフが8bit風に響くのが印象的。

M3はわけのわからん新幹線の駅名連呼から始まるメジャーキーの曲。通奏低音としてビープ音をオルガンの低音のように響かせるところが印象に残る。鉄道での旅をテーマにしたようなリズムが心地よい。

M4はエキゾチックな雰囲気の一曲。主旋律は既存のMEG曲に近い部分がある。ちょっとニカっぽい音の使い方をしているのが気持ちいいが、これはむしろカラオケで聞きたいかも。

M5は安っぽいキャバレ-チューン。こういう曲ならystkのほうが絶対に上手い。この曲はちょっと、と思った。

M6はタイトル曲。ワールドミュージック風のイントロに続いて力強いボーカルが響く傑作。なんでワールドミュージック調の味付けが入ってるのか意味わからん。この変なエスニックっぽさがこのアルバムの特徴であることはわかるが意味がないように感じた。

M7は2006年作のremix。意図した安っぽさと攻撃的な主旋の組み合わせがアルバム終曲にふさわしい実験曲。MEGがこの先M6までの路線を展開するのではないとすれば、洋楽っぽい旋律も変なエスニックっぽさもないこのトラックが最も今回の仕事の「中身」を明らかにしているように感じる。

今回プロデュースを担当したThe shanghai Restoration ProjectはDave Liangなる香港系のプロヂューサーによるプロジェクトということらしいが詳細はよくわからない。エレクトロからニカまで幅広いジャンルの楽曲をいろいろなアーに提供しているらしく今回のアルバムもその一環ということなのだと思う。


アルバム全体から聞こえてくるニカっぽさはここまでのystk作品とは一線を画すもので、ゆったりとした心地よさを感じる一方、POPSとして聞いたときやはり音的には寂しい。そうした「寂しさ」も旅の一要素であってテーマと密接な繋がりがあるのかもしれないが、だとすると表現としてあまりに単純かつ直接的過ぎる。わけのわからないエスニック風のリフも含めて「コンセプトありき」な表現が多すぎるところがこのアルバムの最大の弱点だと思う。普通の表現で「旅」を表現するならともかく「アフロ風の」サンプリングが鳴ると「はい異国情緒」というのではあまりに情けない、それは絵葉書風とかいう以前に「表現の放棄」だ。作品全体のクオリティーは非常に高い。それはMEG自身の芯の通ったボーカルもそうだがそれを支える(エスニック要素を排した時に残る)音作りのよさからも来ていると思う。このアルバムは「旅」をテーマにしているが、そこに安易な手法で応えたあたりにプロデュースの詰めの甘さを感じる。

MEGがこのアルバムの製作後にystkプロデュースを選択したのかどうかは定かではないが、どうもHADOUKEN!といいこのDave Liangといい、今ひとつMEGの意図するコンセプトを高い次元では解釈していないようなもどかしさを覚えた。


おすすめ。。。☆☆☆(相当に水準は高いアルバム。腐れJ-POPとは一枚も二枚も上手。できれば同じプロデュースでおかしなコンセプトのないストレートなアルバム作りの2枚目を聞きたい)